農家のお父さん達のワインドリームと
和牛・短黒の美味しさをカジュアルに楽しむ1日
かつては桑畑が一面に広がる二本松市木幡地区だったが、時代の変化とともに養蚕業衰退の中、地元農家のお父さんたちが新たに挑んだワインドリームに酔いしれる1日です。
ふくしま農家の夢ワインさんの凄いとこ!
二本松市で長らく農家を営んできたお父さんたちが志を1つにし結集したファーマーズ集団・ふくしま農家の夢ワイン。最近では豪華列車四季島に採用され一躍脚光を浴びるまでになりましたが、決してその道のりは平坦ではありませんでした。それでもやってよかったと微笑む生産者の力強さと、元来何でも自分たちで賄ってしまうお父さんたち器用さにふくしま農家の夢ワインさんの隠れた魅力を垣間見ました。
農薬は極力使わない土地だった
二本松市は養蚕が盛んで、いたるところ桑畑が広がっていました。その証拠に、隣接する福島市川俣町は川俣シルクの産地で古くから営む絹織物の会社があります。木幡地区や東和町では原材料となるたくさんの繭を供給していました。この繭は蚕がつくりだすものですが、蚕は農薬が大嫌い。ゆえに蚕が食す桑の葉には農薬を使うことはなく、農業の近代化が進む中でも、比較的農薬を使わない土地が多く残ることになりました。
時代が変わり、かつての養蚕業は衰退。放置される桑畑も少なくありませんでした。そこで養蚕業に変わる新しい産業を興そうと立ち上がった農家のお父さん達。昔の土地を大事に活用し、ブドウ栽培においても最低限の農薬しか使いません。また、そもそも土地が生き生きしているのでその土地の力で十分なんだそう。最近ではビオワインなど自然派志向の傾向もあり、以前の暮らしが今を支える素晴らしい事例の一つです。
究極のおらが村のおらのワイン
ふくしま農家の夢ワインは8人のファーマーで形成される農家集団。栽培作物は多少異なれど、農業に関してはその道のプロ。ワイン用ブドウ栽培にもそれぞれのこだわりが・・・。8人は良き仲間であり、良きライバル。おらが作ったブドウでもちろんワインも競いたい。そんな一人一人の生産者ごとのワインが「一シリーズ」というもの。さらにこのワインの名前にまた想いがあります。みなさん大好きなお孫さんのお名前を必ず入れているのです。そしてそこには、未来を託すこれからの世代への応援歌でもあるのです。
販売所も手作り?農家の裏の顔は?
このお父さん達は、農家としても凄いのだが、それだけじゃないんです。実はこの販売所も仲間内で作ってしまったんです。この辺りは山がちなので平野部と異なり兼業農家も多く、農閑期には内装業をやったり、塗装業をやったり、設備工事をやったりと皆さん副業されています。とすると、8人集まれば、何とかなってしまうというのだから凄い。さらに、販売所を建てる木材は地元の木材を製材したものであったりサッシやガラスなども古材やB品を譲ってもらい自分たちで取り付けたとか。左右対称でなかったりある程度の誤差はご愛敬。なんでも自分たちの手で賄ってしまうお父さんたちに、もはや脱帽です。
終始、笑いの絶えない時間。少しずつ暮れゆく山里。
ぬくもりという言葉がぴったりな空間は、まぎれもなくこの人達が作っているのでしょう。そして、その魅力に引き寄せられた若き新たな仲間たちとのコラボレーション。きっとみなさんを大歓迎してくれますよ。
コロナに負けるなキャンペーン
コロナウィルスの影響を受けている生産者と料理店を応援するキャンペーンとして、 FoodCampツアー参加者全員に月星ーTSUKOBOSHIーさんで使える1,500円相当のお食事券をプレゼント。 アフターFoodCampは月星さんで、二本松市内の雰囲気とさらにふくしま農家の夢ワインさんのワインをお楽しみください。
※月星さんは現在営業自粛中です。お食事券は営業再開後にご利用ください。
開催レポート
「農家のお父さん」がぶどう生産から販売までてがけるワインと「短黒」牛のハーモニー
2020年6月28日(日)、雨の中、「地ワイン&東和食材 カジュアルランチツアー」が福島・二本松市のワイナリー「ふくしま農家の夢ワイン」で行われました。
新型コロナウイルスの影響で中断後、初めて再開された「FoodCampツアー」となりました。
この土地と自然と生きてきた農家8人が、土づくりやぶどう収穫、ワインの仕込みや瓶詰めまで、全て自分たちで手がけるワイナリー。「自分たちがやりたい」ことを形にしてしまったワインです。
さらにいえば、ワインの販売所の建物自体も、塗装や設備工事など仲間でやってしまったという「すごいお父さんたち」です。
もともと養蚕が盛んな土地柄で、農薬を使わないで栽培する桑畑が数多く点在していました。ぶどう栽培では、農薬は最低限にとどめるこだわりです。
品質も上がり、一泊数十万円するJR東日本の豪華寝台列車「四季島」で提供される栄誉もいただきました。
山奥の小さなワイナリーにお客様が到着しました。
「ふくしま農家の夢ワイン」の斎藤誠治社長がごあいさつ。
ぶどう見学の後、醸造所でテイスティングを楽しみます。
フードキャンプ専属ソムリエによる、料理に合うおすすめワインを説明した後、いよいよランチへ。調理は、地元で注目のレストラン「月星」の三瓶貴裕シェフです。
飛沫防止のための扇子などもお使いいただき、対策もバッチリ!
二本松市の山間地には、黒毛和牛と短角牛を交配した「短黒牛」を育てる農家がいます。とても希少でなかなか食べることにできない肉を、今回は特別提供です。
さっぱりとした肉質で、甘みも感じられる上質な「短黒牛」。コロッケやタコライス、ローストビーフにメーンの料理と、ぜいたくに短黒牛フルコース!
参加者からは「福島にぜひ人を連れてきたい」と絶賛の声があがりました。
また、提供されたフルコースのメニューを、絵にかいて応援いただいた方も。テイスティングを楽しんだり交流したり、参加者思い思いの楽しみ方がありました。
「農家のお父さん」も笑顔に。
今回のツアーは、夢ワイン社と出会ってほれ込んでしまった、大学生の佐藤蓮さんが「孫の手」へ提案したことがきっかけです。学生の旅行コンテストでツアー企画経験もあり、今回は臨時アルバイトとして貴重な戦力となりました。
ありがとうございました!
ツアーの見どころ
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赤・白ワインにシードルなど オール二本松産で飲み比べ
シャルドネ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニョンなどをはじめとする国際品種やマスカットベリーA、ヤマソーヴィニヨンなど注目の日本品種も栽培。多彩な品種をバランスよく醸造し、その味わいは豪華列車「四季島」にも採用されたほど。また以前からこの地区で果樹栽培を営む農家さんのリンゴ使ったシードルなど、オール二本松産ワインとシードルを存分に楽しんでいただきます。 ※事前予約でお得な3種飲みくらべセットもご用意!(別途1,500円)
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ヴィンヤードから臨む吾妻連峰と 澄み切った青空の下のテーブル
ワイナリーがある二本松市木幡地区は、阿武隈高地のほぼ北辺にあり、標高約500㎜ほどのヴィンヤードからは、吾妻連峰が美しく見渡せます。また高村光太郎の詩集『智恵子抄』で謳われた安達太良山も見えます。人工物がほとんど見えず、スーっと心が澄んでくる心地よさ。空と山とブドウ畑が広がる風景に溶け込んでしまいたくなる、そんなダイニングでのお食事を味わっていただきます。
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短角牛×黒毛和牛を 自然交配させた絶品お肉に舌鼓!
二本松市は野菜・果樹栽培も盛んですが、山間部では美味しい肉牛もあります。二本松市の初森地区では、黒毛和牛を父に持ち、日本短角牛を母とする「短黒牛」を生産しています。その味わいは上品でさっぱりとした肉質でありながら、ほど良いサシと甘みが感じられる上質なお肉です。自然交配のため数に限りがありますが、今回は地元月星の三瓶シェフがバッチリ確保!腕を振るいます。
キャスト紹介
- ふくしま農家の夢ワイン株式会社 代表取締役 斎藤 誠治
- ■どぶろくの秘密結社がワインに鞍替え?
「このあたりは昔はどぶろく文化で、大概の家ではみんなどぶろく作って飲んでましたよ。だから、ワインも作れるんじゃないかって割と単純な発想でしたね」と、ワイン造りのきっかけを話す代表の斉藤さん。さらに「ワインだったら、若い女性も飲んでくれるんじゃないか、そして
二本松にたくさん若い女性が来てくれたら、嫁さんもらっていない農家もね・・・(笑)」と付け加え、一緒に話をして下さった大野さんと顔を見合わせる。
もちろんこれも後継者問題、過疎の問題にリーチする重要なテーマであるが、年々増え続ける耕作放棄地に、ふるさとの未来を心配する気持ちが色濃くなってきたというのがあったようです。そして、今から8年前、震災の翌年である2012年に有志を集め、ふくしま農家の夢ワインが産声を上げたのだ。
■原発事故で売れなくなったりんごを救いたい
「ワイン用ブドウを栽培する以前に、りんごを作っている農家がたくさんいます。とりわけ福島で開発された「王林(おうりん)」という品種には思い入れもありましたし、誇りでした。しかし、原発後、福島のりんごというだけでさっぱり売れなくなってしまったんです。また、ブドウの木を植えても最低実が成るまで3年はかかります。実際に醸造できるのは栽培から4年以降。ですからワイナリーを立ち上げてもすぐには自分たちのブドウでワインが仕込めない。ならば、ワインが出来るまでの間、りんごでシードルを造ろうとなったんです。」とシードルの種類もたくさんある理由を教えてくれた。行き場を失ったりんごが捨てられていく姿は生産者としては最も胸が痛む瞬間だったに違いない。それでも斉藤さんは、「りんごもブドウも醸造できるように醸造免許を取っちまえ!っていったんだ」と笑い飛ばす瞳の奥に、当時を偲ぶ姿を感じずにはいられなかった。
■・・・やってよかった
ブドウが収穫できるようになってからも様々な困難が立ちはだかる。経営を続けるために委託醸造も積極的に受けてきたそうだが、こんな醸造なら依頼しなかった、保証しろと突き返されたそう。また、納品先でシードルの保管場所が悪く栓が飛んでしまい、大クレームに発展。社長と社員で謝りに行ったことも。資金繰りも大変で助成金をやりくりしたり、自分たちでDIYしたり。そうしているうちに、だんだんとブドウの木も成熟し醸造技術もアップし、なんと豪華列車「四季島」にも採用される快挙。これは飛び上がるほど嬉しかったに違いない。まさに農家のお父さん達の夢が叶った瞬間だろう。
これまでの話を聞いて、最後にやってよかったですかと問いかけると、「・・・よかった、やってよかった」と静かにささやいた斉藤社長の顔が忘れられない。
ふくしま農家の夢ワイン株式会社
TEL:0243-24-8170
- 月星-TSUKIBOSHI- Chef 三瓶 貴裕
- ■料理人ってカッコいい!
月星で腕を振るのは、二本松出身の三瓶シェフ。男ばかりの3人兄弟の真ん中で、家でも料理などは進んで手伝う方だったという。料理は勿論のこと何かを作るのが好きで図工もお得意。実は、お店の壁面1つが黒板になっており、「お店を始めて見たときこの黒板が凄く印象的で、
オーナーの高島さんが、『好きに描いていいよ』て言ってくれて」というように、大きな黒板のイラストは三瓶シェフによるものだ。
18~19歳の頃、近所の居酒屋でアルバイトをしていたときのこと。「銀の皿に入った料理や作り手の料理人さんがかっこ良くて、もう料理を作っているのを見るのも大好きになりました」と目をキラキラさせて語る姿に、その時の感動がこちらにも伝わってくる。しかし、そんな三瓶シェフも一旦は料理の世界を離れることになる。料理の仕事をしたいなという想いはあったものの、しばらくは宮城で建設の仕事に就いていた。
■まさかの巡り合わせ
その頃、二本松でお店をやりたいなと物件めぐりをしていたオーナーの高島さん。飲食業界で9年ほど働き、いつかは自分の店を持ちたいと思っていたそう。最初は福島市や郡山市でのオープンを考え、物件を見ていたがなかなかコレといったものに出会えず、地元である二本松市内に方向転換。街を歩いていて、改めて二本松の雰囲気の良さに惹かれた。しかし、その良さがあまりにも知られていないことに愕然としたという。「二本松は歴史もある、昔の風情が残るいい街なのに、裏町通りはなんとなく寂しい雰囲気。この街に明りを灯したい」物件巡りをしながら、そんな気持ちが強くなっていったそう。そこでたまたま出会った物件が今のお店だ。二本松駅からすぐで、路地を一本入る。昭和の香りがする雑居ビルの1Fにともる「月星⁻TSUKIBOSHI-」の看板。ドアを開けると明るくアットホームな雰囲気で、どこかふくしま農家の夢ワインのお父さん達にも通じる温かさを感じる。
この物件を紹介してくれた友人が三瓶シェフと共通の友人で、シェフを探しているという噂を聞きつけることになったのだ。
月星 -TSUKIBOSHI-
〒964-0917 福島県二本松市本町2丁目177
TEL:0243-24-7038
定休日/日曜日
- 月星-TSUKIBOSHI- Owner 高島 美行
- ■月が好きな姉、星が好きな妹!
月星という店名にはオーナ―高島さんの想いが表れている。「空に目を向けると現実とは全然違う非日常を味わえる感覚があります。そんな空というか宇宙が好きで、私は月が好きなんですが、妹は星が好きなんですね。だから二人の好きなものを並べて、月星ーTSUKOBOSHIー
にしたんです」となんともまあ、ロマンチック。その想いは名前ばかりではない、オープンした日は2019年5月19日の満月の日という徹底ぶり。さらに、月明りはぼんやりと包み込むような優しい光で母性的な意味合いもあるのではと、地域の人にとって憩いの場所であって欲しいし、優しく月明りのように灯すお店になって欲しい、そんなオーナー高島さんの願いが込められている。
■ふくしま農家の夢ワインとの出会い
もともとワインが好きで、お店をやるならワインが気軽に飲めるお店をやりたいと思っていたそう。そこで本格的に調べたところ、日本ワインが注目されつつあることを知った。日本ワインなら地元にもある、という事でふくしま農家の夢ワインを扱うことに。今、お店で置いているのは「をちこち」というマスカットベリーA主体の赤ワイン。りんご飴のような甘い香りが女性にウケている。あまりワインを知らない人でも入りやすく、これをきっかけにふくしま農家の夢ワインを知ってもらえたらと強力なパートナーである。
ツアーのスケジュール
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集合・お迎え
9:30 頃
郡山市内のご自宅(滞在先)または郡山駅にタクシーにてお迎えに参ります。
お迎え時刻は前日までにご連絡致します。
※郡山駅にてお迎えの方は、9:00までに郡山駅到着のダイヤでお越しください。
※タクシーはグループ会社の「郡山観光交通」のタクシーが参ります。 -
出発
10:00
孫の手トラベル 安積町営業所より観光バスにて現地へ出発します。
※営業所までお車で来られる方は9:50までにお越し下さい。(駐車場多少あり) -
ワイナリー探訪 (ワインテイスティング付)
11:30
斉藤社長の案内でワイン醸造工程やワイン用ブドウが栽培されている畑をご案内いただきます。
また、ワイナリー内にある販売所にて、ふくしま農家の夢ワインさんのシードルやワインの
テイスティング付です。
※現地に直接来られる方は、11:20までにお越しください。 -
ランチ & ワイン飲み比べ
12:30
「月星」の三瓶シェフ一押しの短黒牛をメインに、有機農法のお野菜や旬の果物をなど地元の食材を
ふんだんに使ったお料理をカジュアルスタイルでご提供いたします。
選べる飲み比べセット(1,500円で異なる3種をチョイス)をご予約いただくとお得です。
もちろん当日、個別オーダーも承ります。赤・白・シードルなど
全5種類のワインをお楽しみいただけます。 -
お買物タイム
14:30
ふくしま農家の夢ワインさんの販売所で心行くまでショッピングをお楽しみください。
ワイン以外にも地元で養蜂される農家さんのハチミツなどもあります。
もちろん、発送も承ります。 -
到着
16:30
孫の手トラベル 安積町営業所に到着後、タクシーにて郡山市内のご自宅(滞在先)または郡山駅へお送りいたします。
※郡山駅からお帰りの交通機関は、郡山駅発17:00以降のダイヤをお手配ください。
ツアーの詳細
- 開催日
- June 28(日)
- 料金
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お一人様 16,800円 - 当日の服装・持ち物
- ・コロナウイルス感染予防のため、食事中以外はマスクを着用ください。また、食事中の会話の際の飛沫防止のため、口を覆う扇子またはうちわをご持参ください。
・屋外でのツアーになりますので、帽子、タオルなどお持ちください。
・畑に入りますので、サンダルや半ズボンは避け、汚れてもよい服装でお越しください。(スニーカー等でOKです)
・収穫体験用の手袋や持ち帰り用の袋はご用意いたします。 - 参加条件
- 本ツアーは小学生以上の方で、お一人で行動が出来る方(介添えなどが不要、医師からの許可がある方)であればどなたでも参加が可能です。なお、お子様も同料金となります。
- 運行会社
- 郡山観光交通株式会社
- 添乗員
- 孫の手トラベル自社スタッフが同行いたします
- お支払い方法
- 参加までの流れをご参照ください
- 旅行保険の加入
- いずれのツアーも万が一に備え、旅行保険に加入していただきます。保険料はツアー代金に含まれております。そのため、生年月日の情報もいただいております。
- キャンセル料について
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宿泊・チケット付きツアーは20~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。
また日帰りツアーは旅行開始日の前日から起算してさかのぼり、10~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。 - 雨天時の対応
- 雨天でも決行いたしますが、やむをえず自然災害等で中止の場合は、前日お電話にてお知らせいたします。その場合、お預かりしているツアー代金は全額ご返金いたします。
- 最小催行人数
- 15名 ※お申し込みが最少出発人数に満たずツアー中止となる場合は、4日前までにご連絡いたします。
- 旅行条件書
- 旅行条件書のページをご参照ください
開催地
ふくしま農家の夢ワイン株式会社
TEL:0243-24-8170