Challenge to the organic village.
郡山東部にある田村町。
平安時代、坂上田村麻呂が蝦夷追討の際に守山城を築いたと伝えられており、江戸時代には守山藩が置かれるなど、かつてはこの地域の中心地であった。
実り豊かな里を再び”有機の里”として次世代へ継承していこうとチャレンジするふたりが今回の主役である。
開催レポート
今年の最終回は、けるぷ農場さんで田村の鶏と田村の酒を味わう、まさに「田村テロワージュ」を堪能する企画でした。
けるぷ農場さんの鶏は、自然の草や農場で栽培された自然農法の穀物を食べ、広い庭で平飼いで育てられています。生憎の雨でしたが、雨にも負けず元気に走り回る鶏さんたちを、農場主の佐藤さんのご案内で見学。贅沢にも、仁井田本家さんの仕込み水を飲んで育っているんですね。
今回のダイニングは、寒さを考慮してビニールハウスの中。
お料理を担当する丸新・熊倉料理長の発案で、お客様の席のすぐ脇に、お店さながらの盛り付けカウンターを設け、料理長が説明をしながらお料理を仕上げていく、ライブ感あふれる演出に。けるぷ農場さんとの出会いや田村の森を表現するような、物語のある美しいお料理の数々。
その一品一品に合わせて、仁井田本家さんの蔵元が誂えたお酒もお楽しみいただきました。仁井田本家さんは自然栽培米100%で醸す同じ田村の酒蔵。けるぷさんとのお付き合いも古く、「田村を有機の里に」という夢を共有するお二人です。
お料理に合わせ、冷や、常温、お燗と細やかにご用意下さいました。
食後には佐藤さんのサプライズライブで盛り上がり、今年最後の宴を閉じました。
ご参加いただきましたお客様、ご協力いただきましたけるぷ農場さん、仁井田本家さん、丸新さん、すべての関係者の皆様に、心より感謝いたします。
今年のフードキャンプはこれにて終了いたします。
今年ご参加いただきましたすべてのお客様とご協力いただきましたすべての関係者の皆様、本当にありがとうございました。そしてまた、来年も新しい企画で皆様と楽しんでまいりたいと思います。
また、お目にかかれる日を楽しみに。。。
ツアーの見どころ
-
自然農法家・佐藤喜一さんの 世界一幸せな鶏飼いの話
自然栽培した飼料を与え、平飼いで鶏を育てる「けるぷ農場」さん。佐藤さんが行くと、鶏たちが寄ってくるとか。野菜も自家採種したもので、自然農法家として暮らす日々は幸せそのものという。そんな喜一さんのお話は聞く人を幸せな気持ちにさせてくれます。
-
丸新・熊倉料理長の 素材を生かした和のお料理
今回は、繊細な和のお料理で地元でも大人気の粋・丸新、熊倉料理長に腕を奮っていただきます。素材の持ち味を生かしつつ、どう楽しませるのか、今年最後のフードキャンプを飾る熊倉料理長の渾身の会席コース料理に乞うご期待。
-
自然派蔵元・仁井田本家さんの 日本酒で有機の里のマリアージュ
有機農法のお米だけを使った仁井田本家さんの日本酒は芳醇でお米の味が素直に感じられると県内外のファン多し。今回、蔵元自らがお料理にベストマッチな日本酒を選びました。食事の後は楽しい蔵見学もあります。
キャスト紹介
- 有限会社けるぷ農場 代表取締役社長 佐藤 喜一
- ■自然が全部教えてくれる
佐藤家はもともと農家ではなく、郡山駅前でかんざしや水引などを売る小間物屋を営んでいた。ある日、喜一さんのお父様が日本人の食と酵素の研究者に出会い、鶏を中心とした有機無農薬の農場を一緒に始めることになった。その後、喜一さんも自然栽培に出会い、
これからの人々の暮らしに必要なものと確信し、現在に至っている。
自然栽培とは、簡単に言えば「自然の力を借りて栽培すること」だそう。よって、無農薬、無施肥栽培。肥料を施さないのは、土の浄化作用を促し、植物が自然環境に順応するためだとか。また今年は黒ごまの莢が着く位置が通常より20cmも高く、不思議に思ってたところ、雨が多い年になった。そのことをすでに植物は知っており、自らを守るために高い位置に黒ごまの莢をつけるようにしていたのだった。
こんなエピソードが喜一さんからいくつも、いくつも出てくる。ちょっとおとぎ話を聞いている気分になるが、本当なんだから仕方がない。それをもう25年も体感している喜一さんは、「人は余計なことをしなくていいんですよ。全部自然が教えてくれますから」とにっこり微笑む。
■共存する暮らし
平飼いしている場所には、屋根のない鶏の遊び場がいくつも広がっていて、猛禽類などに狙われないか冷や冷やしていると、「テングスをいくつか引いているだけで、ちゃんとこの先は自分たちの場所じゃないとわかってくれます。だから必要以上の囲いなどいらないんですよ」と喜一さん。鶏小屋の門番を務めるワンコはかつては野良犬だった。”誰も敵じゃない”という喜一さんの周りには、どんな動物も植物も仲良く共存している。まさに喜一さんの農場は、幸福感が滲み出ている空間だった。
■新たな価値観の創造
一般的に農業はとても大変というイメージがつきまとうが、そんな無粋な質問を喜一さんに投げかけてみた。すると「楽しいですよ。やりたいことしかしないし、自分が本当だと思うことしかしない。心が動かないことはしていないんです。だから気持ちいい環境で暮らしているし、みんな仲間で調和しているんです」と。敷地内に植樹した果樹も実をつけるまであと数年かかるという。それも「時間がかかるのは仕方ないよね」と特に気にする様子もない。そして最後に喜一さんがフードキャンプに寄せる思いを語ってくれた。「フードキャンプでは、自然と会話して欲しいな。農業はこうでなければならないというのはないと思う。ぜひ新しい価値観の創造に来てください」と。
こんな幸福感に満ちたファーマーに、会いに来て欲しいと思うのは私だけだろうか。
- 和食/会席 粋・丸新 料理長 熊倉 誠
- ■郡山で最もクレイジーな二人との共演
けるぷ農場さん、仁井田本家さんとは気ごころ知れた仲である丸新・熊倉料理長。しかし、今回のフードキャンプで改めて二人の話を聞いて郡山で最もクレイジーな二人と共演することになったというのが本音らしい。熊倉料理長曰く、「当日のメニューの相談をしても、
喜一さんに至っては『うん、自然でいいよ』としか言わないし、仁井田さんは酒造りは凄い真面目なんだけど、当日の打ち合わせといっても真面目に話をしてくれない」と。そんな二人が作る作物や鶏、酒はどれもピカ一で、料理人として背筋が伸びる思いだ。
■表現する、アートすること
「とにかく、素材とか料理がどうだとかということ以上に、彼らの持つ世界観をどう表現するか、アートするかということなんだと思っています」と熊倉シェフは言う。こんな気持ちにさせられたのは初めてとか。大先輩二人の胸を借りて、料理人として、人間として1段も2段も上のステージへのチャレンジする機会になると心したようだった。
■やっぱり面白い郡山
強烈な個性を持つ大先輩二人を前にし、いつもより控えめに映る熊倉料理長だが、決してそんなことはない。新たな生産者をフューチャーしたり県外からのシェフを招致したりと、彼こそが、仕掛け人でありチャレンジャーである。大分類すれば、先の二人に引けを取ることはないだろう。そんな魅力的な人間が揃う郡山。今年のトリを飾る今回のFoodCamp!は、また特別な1日になりそうだ。
粋・丸新
福島県郡山市神明町15-4 tel.024-922-1851
営業時間/11:30~14:00(L.O.13:20)17:00~23:00
定休日/日・祝
- 有限会社仁井田本家 18代蔵元・杜氏 仁井田 穏彦
- ■酒造りは楽しそうに見えた
仁井田本家は郡山屈指の老舗酒蔵である。もともとはこの地の庄屋であったが、江戸時代、守山藩の藩命により酒造りが始まった。そんな由緒正しき蔵元の18代目を務めることに、重圧はなかったのだろうか。「代々、酒造りをしてきましたが、親は楽しそうに酒造りをしていました。
それを見ていたので、私は酒造りは楽しいものだ、やってみたいと思っていました」と当時を振り返る穏彦さん。今でもその気持ちは変わらず、従業員や地域の人々と力を合わせて作る酒造りが何よりも好きなんだという。
■17人の蔵元がしなかったことに敢えて挑む
通常、蔵をマネージメントする蔵元と酒造りのマイスターである杜氏は別の人間が担当する。しかし、18代目は、蔵元であり杜氏である。これについて穏彦さんは、「純粋に、酒造りをしてみたかったというのがあります。そして、17人の蔵元がしなかったことに敢えて挑んでみようかな」と。2つの役割を担うのは当然大変だし、責任重大だ。しかし、だからこそわかることもあり、経営にも、酒造りにも生かせることがあるのだという。
■有機の里への挑戦
「自然酒」は仁井田本家の看板商品だが、自然栽培米を使った酒造りは、昭和40年頃から17代目の父親が始めた。最初は苦労も多かったそうだが、徐々に自然栽培の自社米も増やし、現在では村の水田全体の約10%が自然栽培米の自社田である。将来は、金沢村地区の全部の水田を自然栽培にしたい。そうして田村を有機の里として次世代へ継承するのが夢である。
仁井田家には「山には手を入れるな」という家訓がある。大事な仕込み水は、裏山の湧き水を300年前から使っている。守るべきものと挑戦するべきものこの2つを同時にやり抜く18代目蔵元のまなざしは、ずっとずっと先の時代を見つめている。
仁井田本家
https://1711.jp/
ツアーのスケジュール
-
お迎え・集合
10:30
郡山市内のご自宅(滞在先)または郡山駅にタクシーにてお迎えに参ります。お迎え時刻は前日までにご連絡致します。
※郡山駅にてお迎えの方は、10:00までに郡山駅到着のダイヤでお越しください。
※タクシーはグループ会社の「郡山観光交通」のタクシーが参ります。 -
出発
11:00
孫の手トラベル 安積町営業所より観光バスにて現地へ出発します。
※営業所までお車で来られる方は10:50までにお越し下さい。
(駐車場多少あり) -
現地到着~養鶏場見学
11:30
けるぷ農場の佐藤 喜一さんの案内により、自然農法のお話を伺いながら、ファームツアーをお楽しみいただきます。農場では平飼いされた名古屋コーチン他数種の鶏たちが元気よく走りまわっている姿を見ることができます。
※現地に直接来られる方は、11:20までにお越しください。 -
ランチ
12:30
丸新・熊倉料理長による和のコースで、けるぷ農場さんの名古屋コーチンをはじめ、有機農法で栽培された食材をふんだんに使った会席コース料理をご堪能いただきます。お料理に合わせて、こちらも有機栽培のお米を使った仁井田本家の日本酒もマリアージュ致します。
(マリアージュした日本酒は旅行代金に含まれております)
(別途料金でその他のアルコール、ソフトドリンクもあります) -
仁井田本家見学
15:00
同じ田村町にある仁井田本家さんで蔵見学。売店では、お飲みいただいた仁井田本家さんのお酒の他、米麹を使ったソフトドリンクやスイーツも。また、けるぷさんのごま油等も販売しています。
-
お帰り
16:00
仁井田本家さんを出発し、弊社営業所へ向かいます。ほろ酔い気分でも大丈夫。営業所からはご自宅(または郡山駅)まで弊社タクシーにてお送り致します。
※お帰りの際、交通機関をご利用の方は余裕をもって郡山駅出発17:00以降のダイヤをご予定ください。
ツアーの詳細
- 開催日
- November 24(日)
- 料金
-
お一人様 16800 - 当日の服装・持ち物
- ・屋外でのツアーになります。気温が下がる場合がございますので、上着、ネックウォーマー、厚めの靴下など防寒対策をお願いします。
・会場は農地ですので、サンダルや半ズボンは避け、汚れてもよい服装でお越しください。(スニーカー等でOKです) - 参加条件
- 本ツアーは小学生以上の方で、お一人で行動が出来る方(介添えなどが不要、医師からの許可がある方)であればどなたでも参加が可能です。なお、お子様も同料金となります。
- 運行会社
- 郡山観光交通株式会社
- 添乗員
- 孫の手トラベル自社スタッフが同行いたします
- お支払い方法
- 参加までの流れをご参照ください
- 旅行保険の加入
- いずれのツアーも万が一に備え、旅行保険に加入していただきます。保険料はツアー代金に含まれております。そのため、生年月日の情報もいただいております。
- キャンセル料について
-
宿泊・チケット付きツアーは20~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。
また日帰りツアーは旅行開始日の前日から起算してさかのぼり、10~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。 - 雨天時の対応
- 雨天でも決行いたしますが、やむをえず自然災害等で中止の場合は、前日お電話にてお知らせいたします。その場合、お預かりしているツアー代金は全額ご返金いたします。
- 最小催行人数
- 15名 ※お申し込みが最少出発人数に満たずツアー中止となる場合は、4日前までにご連絡いたします。
- 旅行条件書
- 旅行条件書のページをご参照ください