中通りと会津地方の境にある山間の村、天栄村。ここで稲作中心に営む吉成農園さんは、米食味分析鑑定コンクール国際大会で最高賞の金賞を受賞。今回はその吉成農園さんの田んぼで「ササニシキ」の稲刈りをしていただくガッツリ農作業型FoodCampです。さらに当日は、新米も召し上がっていだきます。お料理は、「四季の食彩 和伊んや 」の松崎料理長。昨年故郷富岡に開店した「ラファンド」の料理長も兼務されています。旬の食材を見極め、余計な手をかけず、素材の美味しさを引き出す料理は絶品と地元のファン多し。世界レベルの食材と和食の粋なFoodCampをご賞味あれ!
吉成農園 https://www.facebook.com/kuniichi.yoshinari
四季の食彩 和伊んや https://www.fukulabo.net/topics/topics.shtml?id=94
開催レポート
初秋の天栄村は稲刈り日和。
震災後の苦難を乗り越えてきた実録映画鑑賞からスタート
まだ暑さが残る初秋の天栄村でのFoodCamp。お客様をまずは村の集会所にご案内して、吉成さんが震災後の放射能問題に取り組んできたドキュメンタリー映画「天に栄える」を視聴いただきました。
震災当時村役場の職員としてその対応に奔走した内容は、より深く吉成さんの背景を知る時間となりました。また視聴後には目をうるませるお客様もいっらっしゃいました。
視聴後は身支度をして、いざ田んぼへ!ちょうど薄曇りの空のお陰で、暑すぎず過ごしやすい天候でした。稲穂がたわわに実る田んぼでは吉成さんの息子さんの駿介さんがひとりひとりに鎌を手渡し、稲刈りのご指南。慣れている方は、どんどん稲を刈り始めます。
ほどなくして、邦市さんがコンバインに乗ってさっそうと登場!その迫力に圧倒されます。
なかなか身近に見ることのないコンバインにお客様も興味津々。稲がどんどん刈られていく様は見ていて飽きません!
そのうち、「コンバインに乗ってみたい人~!」とお声をかけると、我も我もと順番待ちに。乗り込んで記念写真を撮る人や、実際に運転された方もいました。
稲刈りの後は、FoodCamp会場へ。まずは、本日いただくお米を炊く羽釜の火入れ式です。お米をご準備いただいたのは、奥様のゆみ子さん。我こそはというお客様2名に火をつけていただきました。
今回、ササニシキの新米と1年寝かせた熟成米の2種類を炊いて、味比べをしていただこうという趣向です。奥様の遊び心で、食べてからどちらが新米だったかクイズにいたしました。
お客様が着替えをしてさっぱりと会場に戻った頃には、ご飯がおいしそうに炊き上がりました。まずは食べ比べて、どちらが新米か、熟成米か味比べをしていただきました。
そこに、松崎料理長が特別にお取り寄せくださった「お米に合うブランド塩」をご用意。炊きたてご飯にかけて召し上がっていただきました。
農機具小屋にフードカートとテーブルを設えて
1日限りの農園ダイニングが完成
今回のお食事会場は、吉成農園さんの農機具小屋の下屋をお借りして、フードカートとテーブル、盛付台、Barカウンターを設え、ファーム感溢れるダイニングが実現しました。
今回お料理をご担当いただいたのは、和伊んやの松崎料理長。震災後は郡山でお店をされていましたが、昨年生まれ故郷の富岡町にオープンしたカフェレストラン「ラファンド」のお料理にも携わっておられます。
今回は「吉成さんのお米を引き立てる、ご飯に合うお供」というコンセプトで、数々のお料理をご用意くださいました。ご飯は、先ほど味比べをしたご飯を羽釜からお客様がお好きによそって食べていただく趣向です。
南瓜豆腐のべっこう餡
まぐろのステーキ
お料理に合わせて、天栄のお酒も2種類ご用意しました。お料理が和食だったこともあり、大人気で量が足りないほどでした。また、吉成さんのお米を使った「ササニシキラテ」など、その日だけのカクテルもご用意しました。
食後にはお土産の新米の販売も。ちょうどお米がなかなか手に入らない頃とあって、皆さんこぞって新米を購入されていました。
FoodCamp初の稲刈り企画でしたが、改めて「お米」のことを知る機会となりました。そして震災後の生産者の苦悩を思い起こす時間でもありました。改めてまた胸に刻み、これからも福島の生産者をひとりひとり応援していきたいと思います。
ツアーの見どころ
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天栄村の農業の再生と食味日本一の稲刈り体験
米食味分析鑑定コンクール国際大会金賞に輝く吉成農園さんのお米(龍田米)が出来るまでの道のりは、決してたやすいものではありませんでした。震災後、力強く立ち上がった天栄村の皆さんに想いを馳せつつ、いち早い稲刈り作業を体験いただきます!
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新米より美味しい?熟成米との食べ比べ体験
お米は新米が一番おいしいと信じて疑わない人も多いはず。ところか適切な状態で保存された熟成米はまた新米とは違った美味しさがあるという吉成さん。羽釜で炊き立ての新米と熟成米を食べ比べしていただきます!
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浜通り出身の松崎シェフによる和食コースランチに舌鼓
浜通り出身の松崎シェフは新鮮な魚介類はもちろんのこと、県内の食材への目利きは確かなもの。吉成農園さんのお米とのコラボレーションを引き立てる旬の食材を使った和食コースランチに乞うご期待!
キャスト紹介
- 吉成農園 園主 吉成邦市
- 吉成農園さんは、米食味分析鑑定コンクール国際大会で最高賞の金賞を受賞するなど輝かしい実績の持ち主。その背景には、自動運転のトラクターやGPSなどを活用したハイテク農業が行われていた。吉成さんの農業へのこだわりと天栄米の美味しさの秘密に迫ってみよう。
野菜作りが上手だった母
吉成農園はお米、玉ねぎ、トマト、トウモロコシ、キュウリの他、ブドウやりんごなどの果樹栽培も行っている。特にお米においては、漢方農法という吉成邦市さんが編み出した独自の有機農法で、その成果は、米食味分析鑑定コンクール国際大会で最高賞を受賞するなど輝かしいものである。しかし、邦市さんが農業を始めたのは、意外にもここ十数年のことであり、長らく天栄村役場の職員だった。
もちろん、実家は農業を代々営んでいた。特に母は野菜や花の栽培がとても上手で、特に芽かきが大事だと常々言われていた。そんな母親といつか農業を一緒にやりたいと思っていた矢先、病気でこの世を去ってしまった。農業の師でもあった母親との早過ぎる別れは、邦市さんにとっては大きな痛手ではあったが、生前教わったことの一つ一つを思い出し、さらに地元の気候や農業に関する資料を集め、くまなく目を通した。そして、いくつもの実践を経て自らの農業理論を体系立ててきた。
音楽に自動車部、青春を謳歌した学生時代
高校卒業後は東京の大学へ進学。村には同級生が16人いたが、農家は邦市さんともう一人だけだった。学生時代は、自動車部に所属し、車に夢中になった。それだけでない。「オーディオベーシック」という音楽の専門雑誌への寄稿をするなど、音楽への造詣も深い。まさに学生時代を謳歌した。今でも車や機械の類は大好きで、農業にもその片鱗が伺える。作業の効率性とともにマシーンとしての機能性も吟味した上で最新の農業用機械を取り入れることにも積極的である。そして、休日や作業の合間には好きな音楽を楽しんでいる。好きなアーティストを訪ねると齋藤和義さんとのこと。邦市さんによると彼の楽曲は「メロディはもちろんのこと歌詞も素晴らしい」といって彼のヒットナンバーをいくつか教えてくれた。
そして帰郷、「いいところに住んでいるな」と言われたくて
そんな邦市さんが大学卒業の後の進路を友人に打ち明けると、こういわれた。「何で(天栄村に)戻るの?もったいないやん」と。当時、弱小チームだった自動車部をたった2年で全日本で優勝させるなど、主将としての才覚も表し、東京でも十分に活躍できるであろうそのリーダーシップやバイタリティに溢れていた邦市さんを傍らで見ていた友人の率直な言葉だった。「学生時代は楽しかったですし、東京での暮らしにも順応していたと思います」といいつつ、いずれは地元には戻るつもりでいたことを打ち明けてくれた。「天栄村は農村地域ですし、農業をする環境は直ぐにでもありましたが、その時は農業をやりたいとは思っていなかったので、銀行や公務員などを受け、最終的には実家に近い役場に勤めることにしました」とのこと。
役場時代の活躍については、知る人も多いだろう。その根幹にはいつも次のことがあった。学生時代の仲間に「いいところ住んでいるね」と言われたくて、地元をなんとか活気づけようとあらゆる企画や事業に取り組んだ。クイズ番組の企画や映画製作、神田外語大学を経営する学校法人佐野学園が建設した語学やイギリス文化の学習を目的とした複合施設の誘致など、役場職員として出来る限りをやり通してきた。
そして、退職後、改めて農業へ転身。「米なんか作っても絶対食えないとあんた言ったよね?」と言われたこともあったが、だからこそ本気で向き合った。最初は全滅だった。しかし諦めずに改良改善を繰り返し、現在の姿がある。「漢方農法は植物本来の力を最大限に生かした農法です。肥料をぐっと抑えて、ゆっくり育てると、植物は自分で何とかしようとして、美味しくなるのです」とのこと。
何事にも全力投球で、とことん突き詰める性格の邦市さんだが、だからこそ成し得た結果ではないだろうか。そんな吉成農園さんの田んぼで、最高の味を楽しみたい。
- 和伊んや 店主 松崎 達哉
- 「四季の食彩 和伊んや 」の松崎料理長。昨年故郷富岡に開店した「ラファンド」の料理長も兼務されています。旬の食材を見極め、余計な手をかけず、素材の美味しさを引き出す料理は絶品と地元のファン多し。その人情味あふれる松崎さんの料理人魂にそっと触れてみたい。
やるなら、和食
松崎シェフは郡山市安積町にある「和伊んや」のオーナーシェフで、もともとは和食の専門調理師。しかしながら、ジャンルにこだわらず様々な食材を使用することが好きで、特に和と洋を融合させる料理を得意としている。その想いもあり、和を意味する「和」と洋を意味するイタリアの「伊」を掛け合わせて、自らの店をオープンするにあたり名付けたのが「和伊んや」であった。その確かな腕と富岡町出身という繋がりもあり、富岡町に昨年(2023年)3月オープンしたカフェ・レストラン「RaFand(ラファンド)」でも松崎シェフの味が楽しめる。よって、現在は郡山と富岡を往来する忙しさである。
そもそも料理人をめざすきっかけを尋ねると、吉成農園さんと共通項が見えてきた。松崎シェフのお母様は料理には妥協がない方で、出汁も一般的に売られているような顆粒ではなく、昆布や鰹節で取っていたとか。素材の味というものを大事にする母の姿勢が、きっと今に通じているのであろう。
食材を引き立てるための料理
板前になり会席料理を多く作ってきた松崎シェフだったが、そこにはなんとなく矛盾を感じていた。会席料理は日本を表現する料理であるが、旬を先取りすることも多く、素材の形を変えてしまうこともしばしば。畑がすぐ近くで、その地域ならでは旬の食材を手軽に取に入れることができていたため、料理人になってからというものの、どうしてもこの部分がひっかかってしまっていた。
「食材をあまりいじりたくないんです。私にとって料理とは旨味を引き出したり、さらにその食材が良い状態にするための仕上げをすることであり、その食材を活かした方法で食べて欲しいのです」という。その想いが、和食専門調理師でありながら、そこに囚われない現在のスタイルを形づくっている。
生産者と共に、その食材が採れる場所・体験を通して楽しむ
実は天栄村にはご縁があり、何度も足を運んでいるという松崎シェフ。とはいえども、こうして吉成農園さんの田んぼを見て、そしてじっくりと生産者と話をする機会はとても貴重な時間。邦市さんの言葉に終始うなづきながら、こう続けてくれた。「せっかく生産者が一緒にいてくださり、稲刈りも体験されるのであれば、そうした経験が活かされるようなメニューにしたいです。あくまでも米が主役になる、食材を引き立てるためのおかずというか料理、メニュー構成を考えています」と。
こうしたコラボレーションは初めてという吉成農園の邦市さんも、松崎シェフの姿勢に好印象だったことは間違いない。青空の天栄路を会話が切れることなく歩く二人の姿に、今回のFoodCampではまた新たなドラマが生まれるかもしれない。
ツアーのスケジュール
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お迎え
8:30 a.m.
郡山市内のご自宅(滞在先)または郡山駅に郡山観光交通のタクシーにてお迎えに上がります。お迎え時刻は前日までにご連絡いたします。
※郡山駅にてお迎えの方は、8:30 a.m.までに郡山駅西口へご集合ください。
※当日のお迎えは、参加者様同士での相乗となりますので多少、時間が前後しますことをご了承ください。 -
出発!
9:00 a.m.
孫の手トラベル安積町営業所より観光バスにて現地へ出発します。
※営業所までお車でお越しの方は、8:50 a.m. までにご集合ください。(駐車場多少あり) -
吉成農園さん近くの集会所にてお着替え&映画「天に栄える村」の視聴
9:40 a.m.
稲刈り体験用の服装にお着替えいただきます。(汚れても良い服装)
また、天栄村を舞台とした長編ドキュメンタリー映画「天に栄える村」の一部を視聴し、震災後の天栄村での農業、稲作の復興について理解を深めていただきます。 -
吉成農園さんにて稲刈り作業!
10:50 a.m.
園主、吉成邦市さんのレクチャーによる稲刈り体験をします。鎌で手刈りするのみならず、ご希望の方には農業用機械コンバインハーベスター(複式収穫機)を使っての稲刈り作業も手ほどき致します。
※作業終了後は、先ほどの集会所にてお着替えいただきます。 -
羽釜での炊飯体験!
11:20 a.m.
昔懐かし、羽釜を使っての炊飯体験!皆さんで新米と熟成米をそれぞれ炊飯していただきます。
※炊飯中の時間を利用し、先ほどの集会所にてお着替えいただきます。 -
新米と熟成米の食べ比べ体験♪
12:00 p.m.
熟成米なるものをご存知でしょうか。新米がもてはやされる中、いやいや熟成米も負けてはいません。適切な温度で管理された熟成米と新米の食べ比べをしていただき、新たなお米の美味しさを新発見していただきます。
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ランチタイム!!
12:20 p.m.
今回FoodCamp初登場となる四季の食彩 和伊んや 料理長 松崎 達哉シェフによる和食コースです。富岡町出身の松崎シェフは、山の食材も海の食材も詳しく、そして和食一筋の料理人。特に米に対する思いは、吉成さんに勝るとも劣らず。相性抜群の生産者と料理人の二人が紡ぐコースランチを存分にお楽しみいただきます。
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道の駅「季の里 天栄」へ
15:00 p.m.
吉成農園さんから程近い、道の駅「季の里 天栄」へ立ち寄ります。天栄村の様々な食材がお買い物できます。
※トイレ休憩も兼ねます。 -
孫の手トラベル到着
16:00 p.m.
孫の手トラベル到着後、タクシーにてご自宅(滞在先)または郡山駅へお送りいたします。
※お帰りの交通機関をご利用の方は、17:00 p.m. 以降の郡山駅発のダイヤをご予定ください。
ツアーの詳細
- 開催日
- September 14(土)
- 料金
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お一人様・税込 18,700円(税込) - 当日の服装・持ち物
- ・屋外でのツアーになりますので、晴天の際は日よけの帽子などお持ちください。
・動き易い靴や服装でお越しください。
・原則として、稲刈りに必要な長靴などはご自身でご用意をお願いします。(詳細は別途) - 参加条件
- 本ツアーは小学生以上の方で、お一人で行動が出来る方(介添えなどが不要、医師からの許可がある方)であればどなたでも参加が可能です。なお、お子様も同料金となります。
- 運行会社
- 郡山観光交通株式会社
- 添乗員
- 孫の手トラベル自社スタッフが同行いたします
- お支払い方法
- 参加までの流れをご参照ください
- 旅行保険の加入
- いずれのツアーも万が一に備え、旅行保険に加入していただきます。保険料はツアー代金に含まれております。そのため、生年月日の情報もいただいております。
- キャンセル料について
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宿泊・チケット付きツアーは20~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。
また日帰りツアーは旅行開始日の前日から起算してさかのぼり、10~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。 - 雨天時の対応
- 雨天でも決行いたしますが、やむをえず自然災害等で中止の場合は、前日お電話にてお知らせいたします。その場合、お預かりしているツアー代金は全額ご返金いたします。
- 最小催行人数
- 15名 ※お申し込みが最少出発人数に満たずツアー中止となる場合は、4日前までにご連絡いたします
- 旅行条件書
- 旅行条件書のページをご参照ください
- その他注意事項
- 咳や37.5℃以上の発熱などの症状、体調不良などがある場合は、当日でも結構ですのでご連絡をお願いします。
開催地
吉成農園 〒962-0504 福島県岩瀬郡天栄村大里愛宕下3−2