同じ農園で2つの顔を持つ鈴木さん。ジャンボなめこと寒さでギュッと美味しさが増した秋冬の郡山ブランド野菜などを堪能するツアー。なめこの栽培の見学や野菜の収穫体験もできるファームツアーも楽しみなFoodCampです。
開催レポート
早朝、準備のためスタッフが現場を訪れると辺りは一面の濃い霧。景色はまったくと言っていいほど見えません。しかし、この朝霧こそが好天の合図とのこと。期待に胸を膨らませ設営スタート!今日はどんなダイニングが出来上がるのか、私たちも毎回ワクワクドキドキなのです。
というのも、下見をしてどんなに入念にプランしても、風向きや土のぬかるみなど、当日にしかわからないことがたくさんあります。同じ場所でも気候や天候が違い、同じ条件ということはほとんどなく、まさにその日限りの「アウトドア・レストラン」なんです。
そうこうしているうちに、参加者のみなさんが鈴木農園さんに到着。
案内役は、まどか菜園の代表取締役であり、鈴木農園の専務の鈴木清美さん。これまでも何度となくFoodCampにご協力いただいています。
まずは、なめこの菌床に利用するおがくずの話から。複数種類のおかくずをブレンドしており、その違いを確かめるべく、実際に触れたり、香りをかいだりしてもらいました。
鈴木農園さんでは、年間1200トンものなめこを出荷しています。よって、使用するおがくずも膨大な量で、使用後は廃棄物となってしまいます。このおかくずを有効活用すべく研究を重ね、良質な堆肥へ変換することへ成功。まどか菜園で栽培するカブや枝豆、人参などの肥料として再利用しています。まさに清美さんが目指す循環型農業ですね。
続いて、なめこの栽培施設へ。棚いっぱいのなめこに「こんな風景見たことない!」といわんばかりの驚きの表情。小さななめこや出荷直前のちょうどいいサイズのもの、鈴木農園さんのヒット商品「ジャンボなめこ」などサイズもさまざま。専用の容器からグーンと一生懸命生えている姿が愛おしくも感じます。そして、なめこ栽培に最適な環境を保ち、丁寧に栽培されたなめこたちはみ~んなツヤツヤぷるぷる。もうこの時点で美味しそうです。
さらに、鈴木農園さんでは、食の安全などを目的としたGAP認証を取得。この制度についても一消費者の立場からも理解を深めて欲しいと、丁寧に説明してくださいました。鈴木さんの農業への想い、食の安全への意識の高さが伝わってきました。
そして、外の様子はというと・・・、予告通り晴れてきました。
11月とは思えないほど風も穏やか。宇津峰山の稜線がくっきり見えます。目の前に広がる人参畑とコントラストは絶景!!
さあ、いよいよ人参畑で、収穫体験です。
大人も子ども一斉に、広い畑へどんどん入っていきます。グリーン一色の畑にちょこんとのぞくオレンジ色の人参を見つけては、「これかな?」「どれがいいかな?」とみなさん嬉しそう。そんな姿に鈴木さんもつい「何本でも抜いていいよ!」と大盤振る舞い。
今回はお子さん連れの参加者の方も多く、子どもたちが畑を元気よく走りまわる姿は絵本のようでした!鈴木さんのお子さんも加わり、みんな一緒になって畑で仲良く遊んでいました。ほのぼのした時間が流れます。
本日のスタートドリンクは、鈴木農園さんの人参ジュースをたっぷり使用したオリジナル・キャロットカクテル。アルコール入りとノンアルコールバーションをご用意。ちび人参をマドラー代わりに添えて、見た目もかわいらしく。
そうそう、この人参ジュース、とっても甘くてまろやかでカクテルにしても本当に美味しいんです。
さて、お待ちかねのランチは、エルマールの松岡シェフによるオリジナルフレンチコース。松岡シェフには何度もFoodCampへご登場いただき、畑では飛び跳ねる姿が印象的。本当に明るくて気さくな(+面白い!!)シェフです。
本日のメニューを少しだけ、ご紹介します。
一皿目は「なめこと豚足のコロッケ」。
二皿目は「ジャンボなめこ栽培に見立てて」は、蕪をなめこの栽培ポットに見立てた一品で、シェフの遊び心満載の一品です。
さらに、今回、同じ田村町でサツマイモなどを栽培している柏原さんにもご参加いただきました。鈴木さんが生産者として大変尊敬しているそうです。その柏原さんが栽培するサツマイモ「シルクスイート」もお料理に登場。その名の通り、とっても甘くて滑らかな「シルクスイートと燻製ベーコンのパイ包み」は絶品!何枚も食べられる美味しさでした。
メインディッシュは「ヒラタケの包み蒸し焼き鴨胸肉のロースト」、包みを開けたとたん、フワ~っと漂う香りがたまりません!
(私たちは食べていないですが・・・その香りだけでもう!ごちそうさまでした!)
どこからともなく聞こえるてくるピアノの生音。
今回も準FoodCampメンバーといっても過言ではない、早野さんが畑で生演奏をしてくださいました。
「これも絵になる~」と心の中でつぶやきました!絶景の中でのピアノの調べは「ココは日本?」と思うほど。
この絶景を、みなさんにお見せしたくてーーーー!今回、多めに掲載(笑)。
今回のFoodCampはいかがでしたでしょうか。「なめこ」はお味噌汁やお蕎麦の具材としても定番の食材ではありますが、どうしても地味な印象でした。しかし、その独特の食感や旨味を活かし、主役にもなりうる食材であり、なめこの底力を再認識した一日でもありました。
ご参加いただいたき、ありがとうございました。
ツアーの見どころ
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ワクワク♪なめこ栽培プラント見学&GAP認証について
年間1200トンものなめこを出荷している鈴木農園さん。なめこの栽培から商品化までの一連の工程をご見学いただきます。つやつやプルプルのなめこがみなさんをお迎えします。また食の安全などを目的としたGAP認証を最近取得された鈴木さん。GAP認証についても鈴木さんが分かり易く解説。まさに楽しく学べる大人の社会科見学です。
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気分はピーターラビット☆宇津峰山を臨む絶景ダイニング
郡山市と須賀川市の境界に位置する宇津峰山を一望できる絶好のロケーションにまどか菜園さんの人参畑があります。旬の人参の収穫体験と畑の一角に誂えた今日限りの特別ダイニングでさわやかな秋を満喫いただきます。
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和の食材が七変化⁉松岡シェフのフレンチコース
日本エスコフィエ協会 ディシプルであり、現在は、エルマールグループの総料理長を務める松岡シェフによるフレンチ仕立ての絶品コースランチ。和の食材なめこがどう変化するのか⁉ また旬の秋冬野菜をたっぷり使ったヘルシー&ビューティーなお料理で心も体も健やかに。
キャスト紹介
- まどか菜園 代表取締役 /鈴木農園 専務 鈴木 清美
- なめこを主力とする鈴木農園を切り盛りする傍ら、郡山ブランド野菜や「おひさまの香り(枝豆)」、ワイン用ブドウ等を手掛ける 「まどか菜園」を設立。2019年にはGAP認証を得て、食の安全はもとより働く人の安全面も標準化。大変だけど気づきも多かったという鈴木さんに近代型農業のあるべき姿を見る。
循環型農業を続けてきたらSDGsにつながった
なめこの菌を培養した後のおがくずや選別した後の野菜くずなど、必ず廃棄物は出るものである。鈴木農園では年間1200トンものなめこを出荷しているのだから、その廃棄物だけでも相当な量である。こうした廃棄物を肥料として再利用できるよう堆肥管理などをし、循環型農業を続けてきた。
最近でこそ「SDGs(=持続可能な開発目標)」などと声高に叫ばれているが、結果的に今までの取り組みがそれに繋がった。農業は、地球環境と密接に結びついており、農産物の生産には自然環境がダイレクトに影響する。家業を継続することは、そのまま自分たちの暮らしを守ることであり、地球環境を守ることにもなる。また鈴木農園・まどか菜園では多くの従業員を抱えている。鈴木さんは経営に関わるようになり、農業を続けていくには、働く人の安全確保、人材育成、差別のない職場環境など、将来を担う人材を確保するための取り組みが必要と感じるようにもなっていた。
2019年Gap認証を取得
家業を継ぐと決意し、父親が法人化した会社に入社して丸10年が経つ。この間に、きのこ以外の野菜を栽培する「まどか菜園」を設立し代表を務めている。鈴木農園やまどか菜園などグループ企業は3社、この3社で3年前の2019年には農業における生産の工程を管理するGAP認証も取得した。「細かい手続き上の対応は、ほとんど弟が担当してくれた」と兄弟で力を合わせ経営を守り続けている。Gap認証を取得するには様々なルールを作成したり、これまで暗黙知で行われていた生産工程もきっちり明文化しなければならなかった。また一度認証得ればそれで終わりではなく、認証の更新があるのため、専門員による現地調査や更新に関する費用にも対応しなければならない。「正直、面倒なことはたくさんあるが、取得して気づいたことも多かった」という。さらに、大手スーパーとの新たな契約の際、Gap認証が決め手となるなど地方の一企業としての生き残りのためにも必要な取り組みなのである。
輝いている人・・・みんなこだわりがある
最近では近隣の農業法人とも連携し、野菜の栽培について意見交換も積極的に行っている鈴木さん。これによりロス率が減るなどの成果も出ている。何がいけなかったのかどうずれば良いのか、常に自然相手であるからその解決策はだた一つではない。しかし、一度作付けを始めればその年の勝負はその1回きり。だからこそ協力し合ったり、智恵を出し合うことが重要という考えが以前よりも強くなってきたそう。そして何より「輝いている人というのは、だいたいこだわりがありますよね」とは鈴木さん談。こうした仲間たちの常に課題に向き合う姿勢にも刺激を受けているようだった。
これまでも幾度となくFoodCampでお世話になっている鈴木農園・まどか菜園さんではあるが、さらに前進している姿に近代型農業のあるべき姿を見ているようだった。今回のFoodCampでは、農業のリアルとこれからの私たちを取り巻く食や環境についても学べる1日になるだろう。
- 健食学レストラン エルマールグループ総料理長 松岡 正
- 鈴木農園・まどか菜園さんでのFoodCampは2回目の松岡シェフ。その時その時の、野菜やお客様の様子から得たインスピレーションを受けて皿を決める。そんな姿が毎回新鮮で楽しい。なめこという和の食材をどう扱うのか・・・。松岡シェフならでは世界観に期待が膨らむばかりである。
料理人は30秒の建築士
特に料理にすこぶる興味があったわけではなかったが、高校生の時、帰宅時に通ったレストランから溢れるなんともいえない美味しいそうな匂いに誘われ、レストランでアルバイトをすることに。将来の道などあまりしっかりと考えていなかったという松岡シェフだが、これがきっかけとなり料理の道へ。23歳の時にはフランスでの料理研修の機会を得て、現在はフランス料理界のシェフで構成された日本エスコフィエ協会で最も高い責任と名誉を有する正会員=ディシプルでもある。
「本当は、建築士になりたかったんです。でも今思えば、皿と言う設計図に盛り付けや味の構成を考えていくのは建築士と共通する点があるんじゃないかなと。ただ違うのは、食べてすぐなくなってしまう点です。だから料理人は30秒の建築士だなと・・・」
本物を食べれば、わかる
フランスで一番衝撃的だったのはパンだそう。今でこそ様々なハード系のパンや食事パンがあるが、少し前の日本では「パン」と言えば一般的に食パンをイメージしただろう。フランスでパンといえばバゲット(Baguette)、食パンはパン・ドゥ・ミ(Pain de mie)。パン・ドゥ・ミとは「中身のパン」という意味で、パンの皮を愉しむフランスパンに対して、中身となる柔らかい部分に味わいを求めるのがパン・ドゥ・ミである。松岡シェフは当時を振り返り、確かにバゲットの外側のカリっとした触感は心地良く、歯ごたえがあり、小麦の香りが香ばしく、本当に美味しかった。「ああ、これが彼らがいうパンなんだな」とわかった。たしかにフランス料理にはこうしたパンがとても良く合った。本物を食べてみて一目瞭然、言葉の壁も超えて腑に落ちた。
だからこそ、手が抜けない、手を抜かない
料理人になってからの人生で、松岡シェフが常に心にあることは「どんな時も手を抜かず、お客様の笑顔をいただけるよう尽くすこと」である。食材についての事前調査は当然であるし、その地域ならではのものとして何があるかなど、食材のみならず文化や風習なども含めて料理でどう表現するか。そうした様々な情報の中も含めて食材と対峙し、手を加えるのも料理人の仕事であると松岡シェフはいう。だからこそ、いつも手を抜けないし、手を抜かない。
これまでのFoodCampでも、シェフがコックコート姿で畑に飛び込んでいく姿を幾度となく目にしたことがある。今日の気温感、お客様の顔ぶれ、そしてその食が生まれる場所で感じる何かをとても大事にしている証拠だろう。
鈴木農園・まどか菜園さんと松岡シェフは実に3年ぶりの顔合わせである。松岡シェフは現在、食と健康を第一に考え、健康回復維持にダイレクトにアプローチする日本版CCRC(Continuing Care Retirement Community:高齢者が健康な段階で入居し、終身で暮らすことができる生活共同体)を実現する健院エルキューブのレストラン「エルマール」で、新たな境地を築いている。鈴木農園・まどか菜園の鈴木さんも、Gap認証など大きな変化を経験し、お互いにこれまでとは違った新たな展開が生まれるかもしれない。
こうした再会もFoodCampならでは。決して現状に留まることなく、常に新たなチャレンジを挑む二人の饗宴に是非、期待していただきたい。
ツアーのスケジュール
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孫の手トラベル営業所 出発
9:30 a.m.
ご自宅や宿泊先(郡山市内のみ)および郡山駅まで、弊社タクシーがお迎えに参ります。出発時刻になりましたら、弊社営業所よりバスにて目的地へ出発いたします。
※お迎え時間は、ツアー開催日の前日までにご連絡致します。
※郡山市外からお越しの場合は、9:00までに郡山駅到着の交通機関をご利用ください。
※現地集合・解散をご希望の方は、10:30までに現地へお越しください。 -
大供磨崖三十三観音を参拝
10:00 a.m.
鈴木農園・まどか菜園さんの程近くに郡山市指定重要文化財である「磨崖三十三観音」があります。自然の岩壁を利用して33体の観音様が彫られています。歴史ある田村町を少し探訪し、目的地へ向かいます。
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現地到着~なめこ栽培プラント見学とGAP認証について解説
10:30 a.m.
まずは、鈴木農園さんのなめこ栽培プラントをご見学いただきます。なめこの菌を培養するおがくずの配合やなめこの栽培方法、収穫やその後の選別、袋詰めなどの一連の工程を知ることが出来ます。消費者としても知って得するGap認証について、鈴木さんに分かり易く解説していただきます。
※湿った室内に入ります。滑りやすい靴や露出の多い靴は避けてください。 -
人参の収穫体験
11:10 a.m.
続いて、まどか菜園さんの人参畑に移動し、旬の人参を収穫していただきます。美味しい人参の見分け方や人参の栽培に関する工夫などについてもご説明いただきます。
※畑に入りますので動きやすい靴、長袖、長ズボン、汚れても問題ない服装でお越しください。 -
お待ちかねのランチタイム!
12:00 p.m.
美しい宇津峰山を臨む人参畑に今日限りのダイニングを設置します。お料理は、エルマールの松岡シェフによるなめこや旬のお野菜をたっぷり使ったフレンチ仕立てのコース料理をご堪能いただきます。遊び心があり、素材の個性を最大限に引き出す松岡シェフのお料理は目にも舌にも大満足間違いナシです。
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マルシェタイム
14:00 p.m.
当日、鈴木農園さんの敷地内でミニマルシェを開催します。鈴木農園さんの大人気商品「ジャンボなめこ」やまどか菜園さんのお野菜などをお買い求めいただけます。
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現地出発
14:30 p.m.
鈴木農園・まどか菜園さんを出発し、郡山の弊社営業所へ向かいます。営業所からはご自宅(または郡山駅)まで弊社タクシーにてお送り致します。
※お帰りの際、交通機関をご利用の方は余裕をもって郡山駅出発15:30以降のダイヤをご予定ください。
ツアーの詳細
- 開催日
- November 7(日)
- 料金
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お一人様・税込 15,800円 - 当日の服装・持ち物
- ・畑に入りますので、サンダルや半ズボンは避け、汚れてもよい服装でお越しください。(スニーカー等でOKです)
・収穫体験用の手袋や持ち帰り用の袋はご用意いたします。
・屋外でのツアーになりますので、風を通しにくい上着、帽子、タオルなどをお持ちください。
・コロナウイルス感染予防のため、食事中以外はマスクを着用ください。また、食事中の会話の際の飛沫防止のため、口を覆う扇子またはうちわをご持参ください。 - 参加条件
- 本ツアーは小学生以上の方で、お一人で行動が出来る方(介添えなどが不要、医師からの許可がある方)であればどなたでも参加が可能です。なお、お子様も同料金となります。
- 運行会社
- 郡山観光交通株式会社
- 添乗員
- 孫の手トラベル自社スタッフが同行いたします
- お支払い方法
- 参加までの流れをご参照ください
- 旅行保険の加入
- いずれのツアーも万が一に備え、旅行保険に加入していただきます。保険料はツアー代金に含まれております。そのため、生年月日の情報もいただいております。
- キャンセル料について
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宿泊・チケット付きツアーは20~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。
また日帰りツアーは旅行開始日の前日から起算してさかのぼり、10~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。 - 雨天時の対応
- 雨天でも決行いたしますが、やむをえず自然災害等で中止の場合は、前日お電話にてお知らせいたします。その場合、お預かりしているツアー代金は全額ご返金いたします。
- 最小催行人数
- 15名 ※お申し込みが最少出発人数に満たずツアー中止となる場合は、4日前までにご連絡いたします。
- 旅行条件書
- 旅行条件書のページをご参照ください
開催地
鈴木農園・まどか菜園
住所:福島県郡山市田村町大供字向173
電話:024-955-4457