会津産ピーナッツを世界に誇るピーナッツにすべく、契約農家さん約70件と共に会津、喜多方全域の畑で落花生を完全一毛作で栽培。地域の障がい者施設約15ヶ所と農福連携をし、洗浄、選別、乾燥、焙煎を一貫して行っているAPJ株式会社(会津ピーナッツジャパン)。お料理は、フレンチ出身で、会津の旬な食材を探すのがライフワークという橋田谷商店の井上シェフ。FoodCamp初登場のお二人による喜多方の魅力を再発見する1日。
APJ株式会社 https://okuya-pj.co.jp/
開催レポート
今回のFoodCampの舞台は、喜多方市。季節外れの大寒波が接近する影響で最高気温12~14℃の予報。寒さ対策グッズを詰め込み、スタッフが出発した朝の天気は予報通りのどんよりとした曇り空。しかし、参加者のみなさんを乗せたバスがピーナッツ畑に着くころには青空が見える天気に好転。最近よくあることなのですが、直前まで今一つのお天気もお客様が到着する頃には好転するということが多く、これもひとえにお客様の日頃の行いゆえのことなのでしょうね。
そして、収穫体験の前に、会津ピーナッツジャパンの松崎社長からとっておきの場所をご案内いただきました。この付近を流れる阿賀川の堤防をのぼり、畑周辺の環境や喜多方の田園景色をまずは堪能していただきました。この時期には珍しく雪化粧をした飯豊連峰がとても美しかったです。
この時期ならではのピーナッツの美味しさを発見!
今日は、橋谷田商店の橋谷田社長にも畑へお越しいただき、それぞれに自己紹介。お二人の熱く、そして軽快なトークに終始笑いが絶えません。ジョークを交えながらも、故郷への想いは十分お客様へ伝わっていました。場も和んだということで、いよいよお待ちかねの収穫体験です。なかなか見ることがないピーナッツの収穫の様子に興味津々です。少し葉が枯れかかっているのが、収穫タイミングの目安とか。これは芋類と同じ理屈ですね。
一株を根元から体重をかけて一気に引き抜きます。
すると、土の中からピーナッツの殻の状態の実がたくさんくっついています。一束に付いている実の量は予想以上で、思わずはしゃいでしまいます。そして、丁寧にピーナッツの実を取り外し、袋いっぱいのピーナッツを持って満足そうでした。
さらに、畑では今朝茹でたばかりのピーナッツを試食していただきました。塩茹でしたピーナッツは、柔らかくてジューシー。茹でるには40分位かかるそうですが、生のピーナッツが手に入るこの時期ならではの美味しさに、また一つ美味しいお土産ができました。
加工場は松崎社長のアイディアの賜物
お料理の前にピーナッツを食べ過ぎないようにとセーブをしながら、次に向かったのは、熱塩地区にある加工場です。天井の高い倉庫のような建物は以前、酒蔵だったそう。その証拠に米を醸造施設へ流すパイプのようなものが残っていました。
そして、その大きな加工場の横にピーナッツを乾燥させるためのハウスがあります。ラックに入ったピーナッツに風を当てて乾燥させるのですが、この機械は本来ジャガイモを乾燥させるために開発された機械。それをピーナッツ乾燥に転用したところ十分に使えたそう。この活用方法には機械メーカーの営業マンも驚き、「営業トークに使ってもいいですか?」というエピソードも飛び出しました。
他にも様々なところに創意工夫が施されており、加工場は松崎社長のアイディアの賜物と一同、感心するばかりでした。
ひらけゴマ!シャッターの向こうは・・・
さて、乾燥ハウスの見学を終え、最終目的地は加工場の建物です。ぐるっと背後に回るとシャッターが閉じており、中の様子が分かりません。スタッフがノックをすると、ゆっくりとシャッター上がり、一列のロングテーブルが出現しました。「ワー」という歓声の中で松崎社長も目を丸くしています。それもそのはず、朝の段階では外にダイニングを作るはすが急遽室内に変更され、ダイニング完成の姿を見ずに畑に向かったのですから無理もありません。
普段使われているピーナッツの選別機や洗浄機がまるでテーブルを囲むオブジェのようです。そして、いつものキッチンカーもぴったりおさまっています。そのフードカートの中では、橋谷田商店の井上シェフがキビキビと準備をしています。
松崎社長からは加工で使われる選別、洗浄、そして焙煎などの機械や加工する工程を一通り説明していただき、加工場見学は終了。
いよいよダイニングへご案内です。加工場の敷地内にあった柿の葉が程よく紅葉していたので、テーブルの装飾に活用させていただきました。そんな秋のあしらいもほんのり灯るランタンの灯りと共にムード満点のダイニングになりました。
サプライズとピーナッツ満載のランチ
さあ、いよいよ乾杯です。今回のファーストドリンクは、橋谷田商店さん特製の喜多方産山椒の実入りの「ツル・ジンジャー」シロップを使ったジンジャエールです。山椒のピリッとした味わいが面白く、またブレンドされているスパイスが寒い畑作業で冷えた身体を身体を温めてくれました。
喜多方には美味しい食材がたくさん。そこで、山菜採りなども日常的に行うという井上シェフが目利きした旬の喜多方食材をたっぷり使ったランチコースにみなさん舌鼓。そして、忘れてはいけないピーナッツがちゃんとちりばめられており、井上シェフのピーナッツ愛を感じるランチコースでした。
例えば、スープにはピーナッツペイストでできた「食べられるスプーン」が登場したり、メインディッシュの会津牛のローストの仕上げとしてピーナッツ殻でいぶすパフォーマンスがあったり。さらに会津地鶏の串焼き「サテ」にはオランダで昔から好まれるピーナッツソースを添えたり、ピーナッツをさりげなく各お料理に取り入れてあり、シェフのクリエイティブさにお料理でも楽しませていただきました。
お腹を満たした後は、お買い物タイム。橋谷田商店さんがミニマルシェを特別に用意してくださいました。
橋谷田商店さんが企画・開発した商品の他、会津美里町の間船農園さんのお野菜やお米など種類豊富に並びました。きのこの菌床などもあり、これが意外と人気でヒラタケの菌床はまたたく間に完売。これを購入していく参加者のみなさんもなかなかのツワモノです。
最後の経由地は喜多方の道の駅。こちらには会津ピーナッツジャパンの売店があり、大人気のピーナッツソフトが召し上がれます。また、その他にもピーナッツを使った様々なお菓子や商品を詰め合わせたオリジナルセットも喜んで購入されていたようです。
松崎社長が言っていた「豆商いは本当に“飽きない”」という言葉を肌で感じたFoodCampでした。ご参加いただきありがとうございました!
ツアーの見どころ
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茹でピーナッツの試食ありの楽しい収穫体験!
芋ほりならぬ「ピーナッツ掘り」には大人も子どもも大興奮!会津の恵みをたっぷり蓄えた大振りの落花生を収穫してお持ち帰り!産地ならではの茹でピーナッツの試食も楽しい収穫体験です。
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松崎社長の商い魂&ピーナッツ愛に触れる!
松崎社長の”商い魂”はまさに”飽きない”にあるとのこと。自分だけでなく地域の人々と一緒になって事業を行っていくからこそ飽きることなどなく、そこには感動のエピソードが山のよう。是非、松崎社長の魂に触れてみてください。
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井上シェフによる会津食材を堪能する渾身のコースランチ!
会津をこよなく愛する井上シェフと松崎社長のコラボレーションが生み出す会津食材を堪能するコースランチにご期待ください。滋味深い会津の恵みを体感できるひとときです。
キャスト紹介
- 会津ピーナッツを世界に誇るピーナッツに APJ株式会社 代表取締役 松崎 健太郎
- 契約農家さん約70件と共に会津、喜多方全域の畑で落花生を完全一毛作で栽培。地域の障がい者施設約15ヶ所と農福連携をし、洗浄、選別、乾燥、焙煎を一貫して行っている。会津産ピーナッツを世界に誇るピーナッツにすべく、その熱き想いの原点とは。
社長になりたい
20歳にして起業した松崎社長。名刺を作り知り合いに配ると「なんの会社?どんな仕事をしているの?」という問いに「いや、仕事がないので、仕事を下さい」というのが決まり文句だった。事業内容は特に決まってはおらず、とにかく”商い”をしたかったというのがきっかけ。農作業の手伝いや草刈り、病院への送迎や買い物代行に墓掃除、お葬式への代理出席など。とにかく”地域の課題を解決していけばそれが商売になること”をその時、学んだのだった。
会津で落花生がつくられていた過去を知る
その後、豆菓子屋を設立することなるが、国産の材料に切り替えようとしたとき、落花生だけは良いものが調達できなかった。今から約13年前のことだった。無いなら、諦めるか、もう一つは自分達でつくるかー。以前から農業にも憧れがあった松崎社長は、迷わず後者を選んだ。以前は一個人が新規就農するのは土地や設備の問題など、かなりハードルが高かった。やがて、時代が変わり、農業法人化することで実現が可能になった。
そして、落花生の栽培を始めると、驚くべき事実に出会う。昭和50年から約10年間、会津では契約栽培農家として落花生の栽培がされていたのだった。その規模はなんと100町歩。栽培に関する書物も残っており、栽培指導者をしていた方にも会い、当時の様子をいろいろと教えてもらうことができた。処理場がなかったことなどから、当時は会津産で販売されることはなく、全て千葉の加工場へ運ばれ、会津で栽培されたピーナッツは千葉産として流通していた。その後、大量に安いピーナッツが輸入されるようになり、取引価格が暴落したため、会津での落花生の栽培は途絶えたのだった。
無いとばかり思っていたピーナッツが、まさか地元会津で40年前に栽培されていた事実はピーナッツを始めて最も衝撃的だったと松崎社長はいう。奇遇すぎるこの出会いは必然だったのか、松崎社長の想いがこの事実を引き寄せたのか。とにもかくにも会津産ピーナッツを流通させることを後押しする出来事となった。そこで、松崎社長は①会津産で販売すること ②定額で買取をすること ③処理場を作ることを課題として栽培から加工、販売までを担う株式会社オクヤピーナッツジャパン(現:APJ株式会社)をスタートさせた。
世界に誇れる会津産ピーナッツ、「豆商い」の物語
いまでこそ農福連携という言葉が一般的になってはいるが、始めたころはそこまでではなかった。現在、20t近くのピーナッツを15か所の福祉施設で200名の方が手剥きしてくれている。契約農家さんは約100名、橋谷田商店さんなどを含めた加工業者が約100名、合わせると400名近くの地域の方と一緒に仕事をしている。豆で地道な仕事だが、自分だけが儲かる仕組みではなく、地域全体でビジネスをすることを何よりも大事にしている松崎社長。まだまだ地域とのつながりを増やしていくつもりだ。まさしくピーナッツを通じた「豆商い」の物語を会津から発信していくことが世界に誇れる会津産ピーナッツなのだという。今回はそんな「豆商い」の現場を一緒に訪れてみたい。
- 会津地方の旬な食材探しがライフワーク 橋谷田商店 シェフ 井上 幸司
- 福島県喜多方市出身。フレンチシェフとして国家資格である西洋料理専門調理師を取得し、ホテルでは花形ポジションであるソースとスープの専門職”ソシエ”として経験を積んだ。会津地方の旬な食材探しがライフワークという井上シェフならではの料理の数々に期待したい。
人を喜ばせることが出来る料理
小学生くらいの頃から、母や祖母と一緒に料理をする機会があったという井上シェフ。家庭料理をいろいろと教えてもらい、自作した料理を家族が喜んで食べてくれたそう。この時の”人に料理を作ってあげるとこんなに喜んでもらえるんだ”という体験が彼を料理の道へと導くことになった。
高校卒業後は調理師の専門学校に進学し、そこでフランス料理に触れ、ますます料理が好きになったそう。就職した郡山ビューホテルでは約10年間、フレンチレストラン、多国籍料理、婚礼料理、宴会料理と様々なジャンルの料理を経験した。その間、国家資格である西洋料理専門調理師を取得し、ホテルでは花形ポジションであるソースとスープの専門職「ソシエ」に就任。その後、星総合病院では理事長室付き料理人としてさらなる経験を積んだ。そして、現在は地元・喜多方に戻り、橋谷田商店にて地域食材を使った商品開発や食品加工を担当している。
会津地方は食材の宝庫
井上シェフが料理人になって改めて感じたことの一つに、会津地方は食材の宝庫であることだという。会津伝統野菜を筆頭に、会津ならではの食材や郷土料理が色褪せることなく、脈々と現代にも息づいている。会津の落花生もその一つ。通常、落花生は他の地域では年に数回収穫期を迎えるが、会津は雪国のため収穫は年1回。春に植えた落花生の種は会津盆地の栄養豊富な土と水で育ち、盆地特有の夏の暑さにも耐えて、秋の収穫まで土の中で十分に栄養を蓄える。そのため会津産の落花生は大粒で栗のようにホクホクした食感が特長で、シンプルに塩茹でしただけも抜群に美味しい。香りも旨味も段違いだそう。
特に秋から冬にかけて、会津は野菜の美味しい時期が長く、これは何よりも会津の魅力だとか。「こんなに美味しい食材が豊富な土地に住めるのは一番の贅沢だと思います」と郷土の魅力を料理人としても、一個人としても常に感じている。
いつか夢見たFoodCampの話がやって来た!
実は、既に井上シェフはFoodCampの経験者。エルマールの現料理長、松岡シェフの調理助手として何度かサポートメンバーとして参加していたのだった。「松岡さんは常に生産者やお客様が楽しめるメニューを考えていて、そして、いつも本当に楽しそうに料理をしていました。そんな姿を見て、いつか、自分の料理をFoodCampで提供できたらなぁと思っていたんです。今回、まさにそのご縁いただき、自分が一番楽しみにしています」と。当日は、地元喜多方で最高の生産者と一緒に、お客様に楽しんでいただける料理を提供したいと意気込む。
実りの秋、喜多方の豊かな恵みを存分に楽しめるFoodCampになることはもう、確証されたようなものだろう。
ツアーのスケジュール
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お迎え・営業所集合
8:40 a.m.
郡山市内のご自宅(滞在先)または郡山駅に郡山観光交通のタクシーにてお迎えに参ります。お迎え時刻は前日までにご連絡致します。
※郡山駅にてお迎えの方は、8:30までに郡山駅到着のダイヤでお越しください。 -
出発!
9:10 a.m.
孫の手トラベル 安積町営業所より観光バスにて現地へ出発します。
※営業所までお車で来られる方は9:00までにお越し下さい。(駐車場多少あり)
※途中、磐梯山SA(下り)にてトイレ休憩を取ります。 -
現地到着・収穫体験
10:50 a.m.
収穫時期を迎えたピーナッツ畑に到着します。会津ピーナッツジャパン(株)の松崎社長より会津産ピーナッツの特長などをご説明いただき、たわわに実ったピーナッツを収穫します。茹でたてのピーナッツの試食もあります!
※作業に必要な軍手などご用意します。帽子やタオルなどはご自身でご用意ください。また動き易い服装や靴でご参加ください。 -
ピーナッツセンター到着
12:35 p.m.
畑からすぐ近くにあるピーナッツセンター(加工施設)へ移動します。ピーナッツセンターでは収穫したピーナッツを選別、洗浄、焙煎し、流通までの工程を見学します。
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お待ちかねのランチタイム
13:10 p.m.
ピーナッツセンターの一角に誂えた特設ダイニングで、会津の秋の食材をメインにピーナッツを程よくアレンジしたコース料理をご堪能いただきます。お料理は、橋谷田商店で食品加工の商品開発を担当する井上シェフです。井上シェフはフレンチ出身でソースやスープのご専門。普段から会津の山へ分け入り、地元食材を採取するのがライフワーク。井上シェフならではの滋味あふれるランチコースに舌鼓♪
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現地を出発
15:25 p.m.
楽しい時間はあっという間。現地を出発し、途中、お買い物やトイレ休憩を兼ねて「道の駅 喜多の郷」へ立ち寄ります。その後、孫の手トラベル安積町営業所へ向かいます。
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孫の手トラベル安積町営業所に到着
17:30 p.m.
安積町の営業所に到着後、タクシーにて郡山市内のご自宅(滞在先)または郡山駅へお送り致します。
※お帰りの際、交通機関をご利用の方は、郡山駅発18:30以降のダイヤをお手配下さい。
ツアーの詳細
- 開催日
- October 22(日)
- 料金
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お一人様・税込 18,700円 - 当日の服装・持ち物
- ・屋外でのツアーになりますので、晴天の際は日よけの帽子などお持ちください。
・動き易い靴や服装でお越しください。
・コロナウイルス感染予防のため、マスクをご着用ください。 - 参加条件
- 本ツアーは小学生以上の方で、お一人で行動が出来る方(介添えなどが不要、医師からの許可がある方)であればどなたでも参加が可能です。なお、お子様も同料金となります。
- 運行会社
- 郡山観光交通株式会社
- 添乗員
- 孫の手トラベル自社スタッフが同行いたします
- お支払い方法
- 参加までの流れをご参照ください
- 旅行保険の加入
- いずれのツアーも万が一に備え、旅行保険に加入していただきます。保険料はツアー代金に含まれております。そのため、生年月日の情報もいただいております。
- キャンセル料について
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宿泊・チケット付きツアーは20~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。
また日帰りツアーは旅行開始日の前日から起算してさかのぼり、10~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。 - 雨天時の対応
- 雨天でも決行いたしますが、やむをえず自然災害等で中止の場合は、前日お電話にてお知らせいたします。その場合、お預かりしているツアー代金は全額ご返金いたします。
- 最小催行人数
- 15名 ※お申し込みが最少出発人数に満たずツアー中止となる場合は、4日前までにご連絡いたします。
- 旅行条件書
- 旅行条件書のページをご参照ください
- その他注意事項
- コロナウイルス感染防止のため、事前に健康調査に関するお願いをしております。お申込み後に詳細をご連絡致しますので、ご協力程よろしくお願い致します。
開催地
おくやピーナッツセンター加工場
〒966-0103 福島県喜多方市熱塩加納町加納堰東