浪江町の魅力を集めた「水素ツーリズム」モニターツアーを開催

開催日
2021年3月10日
利用者
環境省/令和2年度脱炭素・資源循環「まち・暮らし創生」FS委託事業
内容
フードキャンプによる地域プロデュース
目的
水素利用への理解醸成に資する観光事業を想定した事業スキーム及び事業化等に係る調査及び検討を行う
場所
福島ロボットテストフィールド浪江滑走路(浪江町)
規模
参加者27名

環境省/令和2年度脱炭素・資源循環「まち・暮らし創生」FS委託事業における調査及び検討にあたり、その潜在的ニーズを把握するため、当該観光事業への参加が想定されるターゲット層や関係機関へのヒアリング、アンケートを実施するため、「水素ツーリズム」をテーマとしたモニターツアーを開催しました。

ツアーは、福島第一原発が目視できる請戸漁港からスタート。その距離感と辺り一面更地となった周辺を漁協の屋上から眺め、浪江町の現状を実感していただきました。

震災で甚大な被害を受けた請戸漁港は最近ようやく試験操業と競りを再開。請戸漁協の方や漁師さんのご案内で、新しい荷捌き施設の見学や請戸の名産「しらうお」の選別体験、漁船の見学などをしました。

続いて、再生エネルギーで水素を造る製造施設としては世界最大級の「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」へ。NEDO※1の職員の方の案内で施設内を見学し、水素利用の現状を学びます。原発の被害を被った浪江町に、脱原発のエネルギー施設が建設されている意義に想いを馳せます。
※1:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構の略称。日本のエネルギー・環境分野と産業技術の一端を担う国立研究開発法人。

そのFH2Rに隣接する「福島ロボットテストフィールド浪江滑走路」が本日のフードキャンプ会場です。まずは、付属の格納庫内で水素エネルギーや利活用についての講演を聞きます。

滑走路では、浪江町所有の水素燃料電池車「MIRAI」に乗車していただき、水素エネルギーのパワーを実感していただきました。

乗車の順番を待つ間、屋外に設置したテントでは、請戸の魚介類や浪江産のタラの芽などの揚げたて天ぷらとアペリティフをお楽しみいただきました。

格納庫の脇に据えたフードカートも、MIRAIから給電し水素エネルギーで稼働させました。格納庫の扉が開くと、その中に一日限りのレストランが現れます。

卓上は本格レストランさながらのセッティングに、春らしさを添えるために浪江産の花を飾りました。窓の向こうには先ほど見学したFH2Rが見えます。

当日のお料理を担当したのは、一般社団法人食大学の鹿野正道先生。請戸の地魚を使ったブイヤベースなど、浪江の食材で仕立てたフレンチコース料理をお出ししました。また、今春浪江での醸造を再開する鈴木酒造さんの「磐城壽」などの地酒もご用意しました。
※飲食については会費制にて開催しました。

浪江町の魅力的な人、場所、食材を探し出し、一つの物語に仕立てた今回のモニターツアー。実施後のアンケートの結果、ご参加いただいた地元内外の皆様にとって、浪江町の隠れた魅力を再発見する機会となったようです。
地域をプロデュースするというフードキャンプの新しい側面が活かされた取り組みとなりました。

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写真:Food Campの青空レストラン