いわき野菜×和漢洋菜×相馬焼で浜通りの新たな魅力を感じるツアー

November 26(土) 開催

いわきの元気印といえばこの人、ファーム白石の白石長利さん。くったくのない笑顔と少しのことではへこたれないガンバリズムに一度会えばファンになってしまう魅力の持ち主。その白石さんの作る冬野菜をCROSS WONDER DININGの福島シェフが和漢洋菜なる新ジャンルで楽しませてくれます。さらに、大堀相馬焼陶吉郎窯では近藤さん父子が追及する独自の世界観に触れる、いわきの魅力をたっぷり詰め込んだFoodCampです。

ファーム白石 http://azuma-toyokuni.com/

CROSS WONDER DINING https://www.cross-wonder-dining.com

大堀相馬焼陶吉郎窯 https://www.toukichirougama.com/

開催レポート

力強い土壌で育った野菜を味わう

フードカートと行く「Food Camp!ツアー2022」を締めくくるのは、いわき市にあるファーム白石さんと大堀相馬焼を巡るツアーです。

3年前に東北地方を襲った豪雨では、畑の近くを流れる夏井川が氾濫し、ファーム白石さんの畑も大打撃を受けました。しかし、それすらも”自然の恵み”といって私たちに自然との向き合い方を教えてくれたことを今でも覚えています。白石さんは江戸時代から続く農家で「自然農法」で里芋やブロッコリー、ネギ、白菜など季節のお野菜を作っています。

旬を迎えた里芋「長兵衛」をめがけ、白石さんの畑を訪問しました。「長兵衛」は2011年の東日本大震災の際、深く掘った土の中だったため放射線の影響を免れ、100年以上繋いできた種が守られました。このことから「いわき昔野菜」のシードバンクにも登録されている逸品。上品な旨味と程よい水分、繊維がきめ細やかで口当たりはシルクのように滑らかで、多くのプロの料理人からも支持を受けています。

雨が降ってきましたが、これくらいの雨ならばということで里芋の収穫体験へ。白石さんがスコップで掘り起こした里芋の株を、2人1組でばらしていきます。これにはちょっとしたコツがあり、土と小芋がびっしりついた塊を大人の腰のあたりから重力に従って落下させます。こうすることで、自然に子芋がばらけ、作業しやすくなります。

丁寧に余分な土や根を取り、収穫かごへ納めます。ご覧の通りの大収穫です。畑で作業をしているうちに雨が強くなってきたので、収穫作業は早めに切り上げ農業用ハウスへ。

白石さんのシンボルカラーは赤、赤いツナギが良くお似合いです。

こちらのハウスでは赤ピーマンとトマトを育てていました。今日のメイン会場はその一角に誂えました。雨風がしのげるので、白石さんもここで時々イベントを実施しているとか。改めて里芋「長兵衛」の栽培方法や生育についてや白石さんの農業へのこだわりなどをじっくり聞くことが出来ました。

この間に、先ほど収穫した里芋を塩ゆでしておき、茹でたてをパクリ!「皮ごと食べられますよ」の言葉にチャレンジしてみると、ほんのり香ばしい味わいも楽しめました。

ここで、もう一人のゲスト登場です。大堀相馬焼陶吉郎窯の近藤 賢(たかし)さんです。

大堀相馬焼 陶吉郎窯の近藤 賢さん

もともと浪江町大堀地区にあった陶吉郎窯さんですが、震災後、いわき市四倉で窯を再建しました。ここまでの道のりで感じたことや、作品への想いについて語っていただきました。

「器は使ってもらう物なんですよね。食卓で料理を囲む人たちのことを思い、皆さんが笑顔になれるような器を作っていきたい」と話していたのが印象的でした。

地元の素材のオンパレード

今回のお料理を担当するのはいわき市にあるワンダーファーム内にあるレストラン「CROSS WONDER DINING」の福島信幸シェフです。ご出身は宮崎県で長らく東京で腕を揮っていましたが、いわき市への出店をきっかけに2年前に移住。いわきの食材について訊ねると「いわきでは新鮮な食材が多く、どのように料理するのか考えるのも日々楽しい」とのこと。FoodCampへのオファーも喜んで受けてくださいました。

CROSS WANDER DINNING 福島シェフ

今回のコース料理は、CROSS WONDER DININGのコンセプトでもある「和漢洋菜(わかんようさい)」をベースに、白石さんのお野菜をたっぷり使った和漢モダンフレンチ。さらに、陶吉郎窯さんの器を使わせていただくというちょっぴりアートな一面も。さあ、ここからはそんなお料理の数々を披露いたしましょう。

一品目は、「白石さんの長ネギと久ノ浜白魚とトリュフのキッシュ」です。お気づきでしょうか。こちらは、陶吉郎窯の近藤賢さんの作品です。器は見るだけではなく、手に取って味わっていただきたいと思い、特別にご提供いただきました。

お次は「久之浜鮮魚の自家製生ハムと白石さんお野菜と県産野菜のガーデンサラダ仕立て」です。クリスマスも近いこともあり、リースの様な華やかな前菜は、目にも舌にも楽しい一皿でした。

続いて、「久之浜平目のポワレ 白石さんキャベツのブレゼ ワンダーファームのベアルネーズソース」です。外はカリッと中はふんわり・・・絶妙な焼き加減で、トマトクリーム系のソースとの相性も抜群!

お肉料理の「福島県産 麓山高原豚のロティ 白石さん長兵衛と葉人参のボルドレーズ」です。豚肉は柔らかく仕上げられ、付け合わせの野菜の旨味も相まって絶品でした。

青檸檬の香りベイクドチーズケーキ

お料理の締めくくりは、白石さんが栽培しているというレモンを使ったデザート。いわきの燦燦と降り注ぐ太陽を感じる爽やかな一皿でした。

登り窯に馳せる想い、大堀相馬焼の親子鷹

ダイニング会場を後にし、次に向かった先は大堀相馬焼陶吉郎窯。森の中に佇む洋館らしき建物が見えてきました。かつては美術館として利用されていた場所を改装し、窯を設けたそうです。

大堀相馬焼陶吉郎窯は、東日本大震災前には浪江町大堀地区に窯を設けてましたが、原発事故のため避難を余儀なくされました。

近藤賢さんのお父様であり、同じく陶芸家の近藤学さんが迎えてくれました。学さんは、日展で何度も入選し、日本現代工芸美術展の審査員を務める逸材。そんな学さんのまっすぐな眼差しには作家の気迫を感じさせるものがありました。

ここで賢さん率いる陶芸体験班と、学さんによる登り窯見学ツアー班に分かれます。

陶芸体験班は、数種類ある色粘土を白玉くらいの大きさに丸め、これをつなげて器を作成します。どんな色合いにするか、形にするかは人それぞれ。出来上がりを想像し、土を丸めるのが楽しい時間です。

ころころ、ころころ、まあるくします。

 

皆さん、旅の思い出を陶器にしたためます。出来上がりは2カ月後とのこと。どんな器になって届くのでしょうか。楽しみですね。

陶吉郎窯見学コースでは、参加者の方から陶芸に関する専門的な質問が飛び出し、学さんもエンジン全開に!

 

登り窯は傾斜を活用し四つの部屋に分かれています。燃料の薪は赤松で1200度前後まで温度を上昇させます。温度管理し、陶器の模様となる炭のかかり具合や火の走り方を調整するとか。登り窯に火入れしてから約一週間もの間、親子交代で窯の温度を操り、焼き上げることに皆さん大変驚いた様子でした。

 

ここで賢さんからサプライズが飛び出しました。なんとロクロを回して見せてくださるとのこと。「どんな形がいいですか?」の問いに「すごい薄いの作って!」「入選した作品を作って!」など、どんどんリクエストが入ります。少し苦笑いもしながらも、賢さんは、「じゃあ、特別に・・・」といって、薄い薄い繊細な器をつくり始めました。なんともいえない賢さんの指の動きに、スタッフの私たちも釘付けになりました。

初の伝統工芸品を絡めたFoodCamp。いかがでしたか。里芋「長兵衛」も「大堀相馬焼」も古くからあるものですが、そこに宿る伝統とそれを継承する人々のパッションは言葉に尽くしがたい何かがあります。どんなに時代が進んだとしても、そこには変わらない想いがあることを感じた1日でした。

ツアーの見どころ

  • ファーム白石で冬野菜収穫体験&ランチ

    いわきむかし野菜に登録された里芋「長兵衛」を筆頭に、ブロッコリー、葱、キャベツ、大根、人参、白菜など様々な野菜を栽培するファーム白石さんで、旬の冬野菜を収穫します。その後、水害後に完成した超特大の農業用ハウスの中で、白石さん、近藤さんを囲んでのお食事となります。

  • CROSS WONDER DINING福島シェフの和漢洋菜といわき野菜のコラボレーション

    いわき市の「ワンダーファーム」内にできたレストランCROSS WONDER DININGは和漢洋菜を提唱。今回は白石さんの野菜とのコラボレーションをお楽しみいただきます。

  • 登り窯見学&陶芸体験

    震災後、浪江から四倉に拠点を移し再開した大堀相馬焼陶吉郎窯では、近藤さん親子が独自の世界観で相馬焼を探求・展開。名物の登り窯やギャラリーの見学と販売、さらに陶芸体験で大堀相馬焼の魅力を味わいます。

 

 

キャスト紹介

ファーム白石 代表 白石 長利
シードバンク「いわきむかし野菜」にも登録されている里芋「長兵衛」。これは長利さんの祖父のお名前で、小さな頃から祖父と一緒に畑や田んぼで農作業をした想い出の証。「農家に生まれていなかったら多分、農業はやっていないと思う」というが、畑へ向かう白石さんはいつも清々しいほどの笑顔の人である。
写真:ファーム白石 代表  白石 長利

100年続く、里芋を守る

江戸時代から続く白石家は、広い土地を持つ庄屋さんで、長利さんはその8代目。里芋の他、米、ブロッコリー、カリフラワー、キャベツ、人参、大根、サラダ白菜、茄子、いわきの在来種である「もてネギ」など四季折々の野菜を自然農法で栽培している。震災時には、様々な作物が出荷停止となったが、里芋については、畑の一画を1.5mほど堀り、藁をかけて貯蔵していたため100年もの間、受け継いできた在来の里芋を守ることができた。この話を聞きつけたあるシェフの勧めもあり、2016年、「長兵衛」と名付けた里芋をシードバンクである「いわきむかし野菜」に登録。「長兵衛」とは、長利さんの祖父のお名前。この里芋は、小さな頃から祖父と一緒に畑や田んぼで農作業をした想い出がいっぱい詰まっている証だった。

 

自然農法との出会い、循環型農業

白石ファームの代表になったのは22歳の時だったが、実質の経営を譲り受けたのは、なんと高校2年生。お父様が病気を患い、経営を任されたためである。そして、その少し前に、お父様が有機農法の師に出会い、長利さんも一緒に学ぶようになっていた。土がいいというのは微生物おかげ。微生物が土の中の循環をしてくれている。有機物を餌とする微生物だが、その微生物の排出物がまた野菜の栄養素になる。そうした循環が土の中で行われていることを知り、長利さんはこれを続けていく覚悟を決めた。

台風被害を乗り越えて

2019年には近くを流れる夏井川が氾濫し、畑には泥が20~30㎝堆積。そのため昨年は多くの野菜が被害に遭ったが、里芋だけは地中にいたため免れた。震災も乗り越え、台風も乗り越えた里芋「長兵衛」に、白石さんは守られたという。氾濫したことで栄養たっぷりの土が畑に入り、今年はほとんど有機肥料を与えなくても野菜は最高の出来とか。「人間は災害だっていうけど、これは自然の浄化なんですよね」と自然の脅威と恵みの両面を経験している生産者だからこそ、説得力がある。

「農家に生まれていなかったら多分、農業はやっていないと思う」という語るが、畑へ向かう白石さんはいつも清々しいほどの笑顔の人だ。そんな白石さんがつくる野菜は、サイズ感も大きく、どこかおおらかさが漂う。

その台風で倒壊した農業用ガラスハウスを新設し、新しくなったハウスが今回のFoodCampのダイニング会場となる。普段は農業用のハウスだがこれからもっといろんな活用をしていきたいと、異業種とも積極的に組んでいくとのこと。常に新しいことを仕掛けていく第一人者でもある。そして、今回は相馬焼の陶吉郎窯の近藤父子、CROSS WONDER DINING福島シェフとのコラボレーションとあって、ますます生産者としての広がりも見せている。

きっと今回もパワフルな1日になるだろう。

CROSS WONDER DINING     シェフ 福島 信幸
「常磐もの」は身が締まって味も良く、サイズ感も申し分ないという福島シェフ。さらに、食材のほとんどは産地直送のため抜群の鮮度。「交差交流(クロス)」のコンセプトとピッタリと符合するFoodCampで、思いっきりいわきの魅力を伝えてくれるだろう。
写真:CROSS WONDER DINING     シェフ 福島 信幸

「交差交流」というコンセプト

いわき市四ツ倉のワンダーファームの敷地内にある「CROSS WONDER DINING」は東日本大震災以降、地元の生産者と共に第一産業の復興を進めてきたワンダーファームと世の中に必要とされるレストランを追求してきたCROSS TOKYOが新たな10年を創るために2021年3月12日にプロジェクトをスタートさせた。

人と人、地方と首都圏、生産者とレストランとで交差交流し、共創し、地元貢献第一に、新しいDiningを創り続けている。ここでその腕を揮うのは、フランスのリヨンやブルゴーニュでフランス料理を学んだ福島シェフである。

宮崎県出身の福島シェフにいわきの食材について尋ねてみたところ「常磐ものは身が締まっており味も良く、サイズ感も申し分ない」とのこと。数々の素晴らしい食材に触れてきたたシェフからお墨付きをもらえたのは嬉しい限り。さらに「東京だと2~3日は流通で寝かせているが、ここCROSS WONDER DININGでは産地直送されるため鮮度がとてもよいことも魅力です」と続けた。

TOMATE GASTORNOMIE(トマト ガストロノミー)と和漢洋菜(わかんようさい)

この地域の魅力の一つとして、隣接するワンダーファームのトマトを中心とした「 TOMATE GASTORNOMIE(トマト ガストロノミー)」を展開している。これは多様多種でワンダーなトマトのご馳走というもので、一年を通して収穫されるトマトを様々な料理に変幻自在させ、トマトの魅力を思う存分に堪能してもらっている。

またCROSS WONDER DININGが提唱する食の方向性として「和漢洋菜(わかんようさい)」がある。これは福島県や近隣県の逸食材を中心に創り上げた和漢モダンフレンチで、薬膳の考え方をヒントに、ハーブやスパイス、漢方や生薬、を巧妙に駆使し、野菜・魚・肉がバランス良く楽しめるカラダに優しい料理で楽しませてくれる。ドリンクもビールやワインの他に厳選した薬酒や薬膳茶もレギュラーラインナップとして取り揃えている。

「出会い」という妙味

今回のFoodCampの生産者とはちょっとしたきっかけで出会った。里芋や旬の野菜を提供する白石さん、そして震災後に浪江町から移住してきた大堀相馬焼「陶吉郎窯」の近藤さん親子とは今ではよく知る仲である。CROSS WONDER DININGでも白石さんの野菜を多く使っているが、白石さんの野菜は比較的サイズが大きく、野菜におおらかさがにじみ出ているのだそう。生産者の人柄がそのまま表れており、それも味わいの一つ。そして、陶吉郎窯の近藤さんとの出会いはこうである。ある晩ふらっと器を持ってDiningにやってきた近藤さん。話を聞けば、陶吉郎窯の器に料理を盛り付けて提供するイベントを企画しているとのこと。そこで料理人の助けを求めてやってきたのだった。もちろん、答えは二つ返事。これこそ「交差交流」のカタチであると意気投合し、それからの付き合いである。

いわきでのこうした様々な出会いこそが一番の調味料なのかもしれない。そして何とも言い難い味わいがそこに生まれる。”クロスワンダー”の世界を是非FoodCampでもいかんなく発揮してくれることだろう。

 

大堀相馬焼陶吉郎窯  近藤 学・近藤 賢
作家としての父・学の姿にいつしか憧れを感じるようになった賢さん。長い歴史を持つ大堀相馬焼の職人魂と作家としての在り方。そのどちらもを併せ持つ陶吉郎窯の近藤父子は、まさに親子鷹。それぞれの作品が放つ世界観に迫ってみたい。
写真:近藤 学・近藤 賢

大堀相馬焼の歴史、そして陶吉郎窯

大堀相馬焼は今から約300年の昔、浪江町大堀を中心として発達した焼物で、諸窯を支えてきたのは、陶技を修得した土地の農民や給人、新天地を求めて異郷からやって来た先進地の職人だった。相馬藩はこれを藩の特産物にしようと着目し、元禄10年(1697年)には「瀬戸物師他領土へ出ることべからず」という布令を出して他領土への技術流出の防護に乗り出した。窯元も次第に隣村へと普及し、江戸末期には120戸の窯元を持つ東北随一の産地となった。しかし、明治期に入ると他産業への転化も相次ぎ窯元は激減、さらに、東日本大震災によって窯元は福島県内外に移転を余儀なくされた。

 

近藤家は陶業の始祖である初代近藤平吉が京焼楽焼を修行し、江戸で楽焼師として創業。安永六年(1777年)に会津藩より磁器焼師範として召し抱えられる。その後、三春藩に移り十数人の弟子を養成し多大な功績を残した。二代目近藤陶吉郎は、三春で父平吉と楽焼の優品を焼いていたが平吉の死後、文政二年(1819)相馬藩に大堀瀬戸方として召し抱えられ大堀の地に根を下ろした。その技術と精神性は九代目・近藤学と後継者・近藤賢に受け継がれている。

いわきでの再出発と「登り窯」の復元

帰還困難区域となってしまった浪江町大堀地区で窯を守って来た近藤さん親子であるが、あるお客様とのご縁によって現在の場所で窯を再開することになった。そこで真っ先に着手したのは「登り窯」の復元だった。「登り窯」は陶磁器等を大量に焼成するために、炉内を各間に仕切り、斜面を利用した窯の形態のことをいう。大堀相馬焼は元禄3年の創業以来、赤松を燃料とした登り窯を使って焼かれてきた。昭和40年代ごろには、ガス窯や灯油窯、電気窯などが導入され、消滅。そこで陶吉郎窯では、昭和63年に途絶えていた登り窯を復元し、毎年春には焼城を行っている。この「登り窯」に火入れしてからは一週間以上もの間、薪をくべ続け、焼き締める作業こそが職人としてのアイデンティテイにもつながっていた。そこで、新天地でもこの「登り窯」を真っ先に復元させ、陶吉郎窯のシンボルとしてその威厳を放っている。

作家としての父の姿

父・学さんは、大学卒業後に家業である大堀相馬焼窯元陶吉郎窯に入った。28歳という若さで日本現代工芸美術展で初入選し、それ以降入選を続け、さらに32歳の時には日展に初入選。相馬焼として産地初の日展初入選という快挙を果たした。その後も日展入選や様々な美術工芸展での受賞を繰り返し、日本現代工芸美術展の審査員を務めるなどその活躍は輝かしいものである。

2012年、58歳の時にはイタリアのファッションブランド GUCCI Official Blog で紹介されるなど海外からの評価も高く、日本を代表する陶芸家である。

そんな父親の姿は息子の賢さんにはどのように映っていたのだろうか。

3人兄弟の長男として生まれた賢さん、特に家業を継げとも陶芸家になれとも言われなかったそう。だた、比較的早い段階で陶芸家になりたいという気持ちは芽生えていた。それは、何より父・学さんが「楽しそうに作品づくりをしていたから」とのこと。

賢さんは初志を貫き、芸術系の大学へ進学し陶芸を専攻。大学生の頃から徐々に作品をつくり始めた。賢さんもまた、父にも勝る若さの21歳で日展に初出品し、初入選。その後も数々の美術工芸展で受賞を果たし、自動車メーカー・トヨタが企画する「LEXUS NEW TAKUMI PROJECT 2017度 匠」にも選定された。

親子といえどもしのぎを削るようなお二人の活躍は、まさに親子鷹。こんな素晴らしい人材がここ福島にいたことに改めて驚愕したのは言うまでもない。二人の作風はまるで違う。それもそのはず、親子であっても一個人としては別、ましてや作家となればのおことである。

そんな偉大なる二人の作家がFoodCampに寄せる想いとはー。

「陶芸家とはいえ、いろんなことをやりたいと思っていました。新しい機会をつくっていきたい」と語る賢さん。また、父・学さんは相馬焼の器がレストランで使われる機会がなかったことに気づき、もっと日常的に使ってもらうにはプロの料理人の協力が必須と自らドアノックしたことがあった。今回はいわばその実例を作れるまたとないチャンス。偉大なる作家とのコラボレーショに今まで以上の胸の高まりを抑えずにはいられない。

 

 

ツアーのスケジュール

  1. お迎え・集合

    8:30 a.m

    郡山市内のご自宅(滞在先)または郡山駅にタクシーにてお迎えに参ります。お迎え時刻は前日までにご連絡致します。

    ※郡山駅にてお迎えの方は、8:20までに郡山駅到着のダイヤでお越しください。
    ※タクシーはグループ会社の「郡山観光交通」のタクシーが参ります。

  2. 出発

    9:00 a.m.

    孫の手トラベル 安積町営業所より観光バスにて現地へ出発します。

    ※営業所までお車で来られる方は8:50までにお越し下さい。
    (駐車場多少あり)

  3. 経由地~いわき市内からのお客様ご乗車

    10:40 a.m.

    いわき市内の経由地に寄り、現地へ向かいます。

  4. 現地到着~白石さんの畑へ

    11:00 a.m.

    ファーム白石さんの広大な畑を見学します。自然農法について旬の野菜を観ながら白石さんにご説明いただきます。

    ※現地に直接来られる方は、10:50までにファーム白石さんへお越しください。また、陶吉郎窯までご自身のお車でご移動いただくようになります。

  5. 長兵衛の収穫体験

    11:20 a.m.

    里芋掘り&野菜の収穫体験です。白石さんの手ほどきのもと、自慢の里芋「長兵衛」を収穫していただきます。
    ※収穫した里芋はお持ち帰りいただけます。

  6. ランチタイム

    12:00 p.m.

    新しくなった白石ファームさんのガラス張りのハウスで、CROSS WONDER DINING 福島シェフの和漢洋菜をベースにしたコースランチをお召し上がりいただきます。白石さんの里芋「長兵衛」はもちろんのこと、いわきの鮮魚や旬の野菜をふんだんに使ったCROSS WONDER DINING ならではのコースランチをお楽しみいただきます。

    ※ワイン、日本酒、ビール、その他各種ソフトドリンクなど、いわき産のご当地ドリンクもご用意しております。

  7. 陶吉郎窯へ到着

    15:00 p.m.

    本日のもう一つの目的地である大堀相馬焼「陶吉郎窯」へ参ります。近藤学さんによる「登り窯」の見学ツアー、ご希望により近藤さんの息子さん賢さんによる陶芸体験、ギャラリー見学を致します。またギャラリーでは素敵な器も購入できます。

  8. 現地出発

    17:30 p.m.

    楽しい時間はあっという間。陶吉郎窯さんを出発し、経由地(いわき市)~郡山へ向かいます。

  9. 経由地(いわき市内)

    18:00 p.m.

    往路同様にいわき市内経由地に寄ります。

  10. 郡山駅到着

    19:30 p.m.

    郡山駅解散の方はこちらで下車。
    ※お帰りの際、交通機関をご利用の方は余裕をもって郡山駅出発20:00以降のダイヤをご予定ください。

  11. 営業所到着 ・ お帰り

    20:00 p.m.

    安積町の営業所に到着後、タクシーにて郡山市内のご自宅(滞在先)へお送り致します。

ツアーの詳細

開催日
November 26(土)
料金
お一人様 17,800円
※お子様・現地集合も同一料金となります。
当日の服装・持ち物
・屋外でのツアーになりますので、晴天の際は日よけの帽子、防寒対策の上ご参加ください。
・動き易い靴や服装でお越しください。
・コロナウイルス感染予防のため、マスクをご着用ください。
参加条件
本ツアーは小学生以上の方で、お一人で行動が出来る方(介添えなどが不要、医師からの許可がある方)であればどなたでも参加が可能です。なお、お子様も同料金となります。
運行会社
郡山観光交通株式会社
添乗員
孫の手トラベル自社スタッフが同行いたします
お支払い方法
参加までの流れをご参照ください
旅行保険の加入
いずれのツアーも万が一に備え、旅行保険に加入していただきます。保険料はツアー代金に含まれております。そのため、生年月日の情報もいただいております。
キャンセル料について
宿泊・チケット付きツアーは20~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。
また日帰りツアーは旅行開始日の前日から起算してさかのぼり、10~8日前20%、7~2日前30%、前日40%、当日旅行前50%、旅行開始後無連絡不参加は100%発生いたします。
雨天時の対応
雨天でも決行いたしますが、やむをえず自然災害等で中止の場合は、前日お電話にてお知らせいたします。その場合、お預かりしているツアー代金は全額ご返金いたします。
最小催行人数
15名 ※お申し込みが最少出発人数に満たずツアー中止となる場合は、4日前までにご連絡いたします。
旅行条件書
旅行条件書のページをご参照ください
その他注意事項
コロナウイルス感染防止のため、事前に健康調査に関するお願いをしております。お申込み後に詳細をご連絡致しますので、ご協力程よろしくお願い致します。

開催地

【現地集合場所】

ファーム白石

〒979-3115 福島県いわき市小川町下小川味噌野16−2

TEL:080-2810-4033

※駐車スペースは数台ありますが個人敷地のため、台数に達した場合は現地集合を締め切らせていただく場合があります。

参加までの流れ

  1. ツアーのお申込み

    ツアー名・出発日・参加者の氏名・住所・生年月日・電話番号をご用意いただき、お電話・FAXまたはインターネットにてお申込みください。
    お支払いは銀行振込またはご来店での現金支払となります。インターネットでのお申込の場合はカード決済にも対応しております。

    FAX
    024-945-1324

    9:00~18:00 日・祝休

    インターネットからのお申込

    お申込されるツアーページ下部の「このツアーに参加を申込む」ボタンよりお申込ください

  2. 案内書の送付

    お申込みいただいた方には、振込先等について記載した案内書を郵送またはメールいたします。持ち物、注意事項などもご確認ください。

  3. お支払い・予約確定

    ツアー代金のお支払いをもって、予約確定となります。案内書到着から15日以内にご入金ください。

  4. 最終確認

    前日までに添乗員から電話またはメールをいたします。タクシーのお迎え時間などのご連絡をさせていただきます。

  5. 当日

    ご自宅または郡山駅に相乗りタクシーがお迎えに上がります。また、旅のしおりをお渡しいたします。お帰りはもちろん、タクシーでご自宅までお送りいたします。

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024-945-1324

9:00~18:00 日・祝休

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写真:Food Campの青空レストラン